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景気が悪化する中、朝日新聞がMMTを「曲論」と断定しました

アベノミクスでMMTを実践しているのに、どうして超インフレになっていないのでしょうか?

 論より証拠。

 

 原真人氏は、東日本大震災が起きた2011年の8月24日、朝日新聞に「記者有論 復興予算「土建国家」に回帰の足音」という論説を書き、こんな主張をしました。

「「復旧・復興」の大義名分の下で予算のバラマキやむだ遣いが横行してはいないか。」

「民主党は、需要も波及効果もない道路や空港を乱造した「土建国家」との決別を訴え、政権についた。復興の名の下で再びコンクリートを聖域化させては元の木阿弥だ。」

 この頃は、大震災の発生から半年ほどしか経っておらず、復興の目途はまだ立っていませんでした。

 復興予算もまったく足りない状況でした。そんな時に、なんと原氏は、復興予算を「土建国家」呼ばわりして、予算のバラマキやむだ遣いの批判をしていたのです!

 この原氏の論説は、当時、被災地のために必死に働いていた多くの土建業者の心を深く傷つけました。

 というわけで、うっかり変な想像をして、原氏の「曲論」に惑わされないよう、くれぐれも気をつけてください。

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中野 剛志

なかの たけし

1971年、神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治思想。96年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。01年に同大学院にて優等修士号、05年に博士号を取得。論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。主な著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞受賞)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』(KKベストセラーズ)。  

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  • 剛志, 中野
  • 2019.04.22