自己紹介 ~東京で営業をしていたのに、気が付いたら茨城県の猟師に!?~
【第1回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件
見よう見まねで始めた農業、茨城での新しい生活
茨城県に来てからはめまぐるしく毎日が過ぎていきました。私を含めた孫3人、祖母に教えてもらいながら見よう見まねで畑のお手伝いをはじめました。
朝は3時か4時に起きて、新聞配達にまぎれてヨガ教室のビラを配り、午前中は畑のお手伝いをして、午後はホームページを作成したり、ヨガ教室の準備と練習、教室運営の勉強にいそしむ毎日です。また、お野菜作りの本を読みながら農業の勉強を深めましたが、畑ではたまにおばぁちゃんの指示と本に書いてあることが違くて戸惑ったり、感心したりもしました。
連日睡眠不足で泥だらけの日々ですが、
もう毎日が楽しくて楽しくて!!!!!!
東京で働いていた時のほうが、費用対効果で言えば効率が良かったかもしれません。でも、私の精神は東京で働いていた時より遥かに自由だったんです。
営業職に就いていた時に感じていた違和感はさっぱり無くなっていました。不思議な感覚です。東京と比べてしまうと交通の便も悪く、流行りの物やお店もありません。それでも心は満ちていくのです。営業時代に60キロ近くあった私の体重は自然と45キロの適正体重へと戻っていました。美味しい野菜と運動(ヨガと畑仕事)のおかげですね!
そんなある日、大事件が起こるのです!朝起きたら落花生畑がめちゃくちゃになっているではありませんか! 畑はほじくり返され、葉っぱは食いちぎられていました。
あ、あ、あんなに大事に大事に育てていたのに……!(´;ω;`)
毎日苗に話しかけながら世話をしていた子たちです……。
夏前に植えた落花生、収穫直前の秋口の出来事です。収穫まで後僅かだったのに!
イノシシの仕業でした。山裾にある私たちの畑はイノシシやタヌキの格好の餌場なのです。経済損失にして約数十万円……。これは安いほうだと言われました。しかし、お金ではないのです!
毎日真心こめてお世話をしていたお野菜たちが荒らされる悲しみ、悔しさ。胸が張り裂ける思いです。よく見ると、私たちの畑だけでなく近隣の畑は全部やられています。皆、害獣被害対策にお金と時間を費やしているのです。
大きな畑に鉄の柵をめぐらせたり、電気柵をめぐらせたりするのは大変な作業です。畑の大きさにもよりますが、費用は数万円~十数万円ほどかかります。そして柵が壊されたり、倒れたり、抜けられたりしないように日々のメンテナンスも必要になってきます。害獣被害対策にお金や時間、体力が追い付かない小さな農家さんたちの中には廃業してしまう方も少なくはないのです。
お年寄りの農家さんは耕作放棄して廃業してしまう方も。
周囲に柵を張り巡らすのは大変な作業です。
調べてみると、茨城県の害獣被害総額は、なんと6億円を超えていました! 全国の被害総額はなんと164億円にも上り、年々増加しているのです(平成29年度/農林水産省調べ)。そして、その害獣を駆除してくれる”猟師”は年々減少傾向にあり、その60%以上は60歳以上なのでした。若い世代の猟師がかなり少なくなってきているそうです。
10年後は一体どうなってしまうのでしょうか?
私たちの答えが出ました。
おばあちゃんが一人で守っている畑を守るために”猟師”になろうと決めました。孫全員で力を合わせればきっと何でもできる! そして孫全員でイノシシを駆除する為の“狩猟免許”をとり、狩猟を始めたのでした。