及川眠子×松尾貴史 スペシャルトーク 第2回「有名人がSNSと付き合っていく方法」
第2回のテーマは「SNS」。「松尾さんのTwitterからもさまざまなヒントを得た」という及川さん。松尾さんは「見掛ける汚いモンは、戦うフリを見せてから即ブロックする」
「人を嫌う」という宣言を脅しに使う人がいるんだなって
及川―――「人を嫌う」という宣言を脅しに使う人がいるんだなって、そのときに初めて知って不思議な気分になりました。だって、自分が誰かを嫌うということは、自分も誰かに嫌われる可能性も孕んでいるわけでしょ?“脅しの道具”が自分に向けられるかもしれない、という事実に気がついてないのかな?
松尾―――僕も子供のときの口ゲンカで、「嫌いで結構、好かれちゃ困るぅ~」みたいなこと言ってましたね(笑)。そう言えば先日、Twitterで安倍晋三の悪口を書いたんですよ。そしたら「仕事貰うためか」とか「食っていくためとは言え大変ですね」みたいなリプが来たから、言ってやったんですよ。「あほか。安部に群がる者たちの方が食っていくためやろ」って。まあ、僕はそう書いた直後にブロックするんですけどね(笑)。だって、汚いモンとか見たくないじゃないですか。自宅の前で汚いことしてる人がいたらカーテン閉めるでしょ。それと同じノリでブロックします。「ブロックしやがって」「卑怯者」「チキン野郎」とか言われるけど、いいんですよ、僕はそれで。人間、怖がりな方が生き延びますから。「怖いモノなんてない!」と言ってるヤツほど早死にします。僕はもうちょっと長生きしたいんで、怖がりでいようと思います。それに、こういう文句を吐いてくるヤツって、ほとんどが匿名ですよね。
及川―――そうなんだよね。
松尾―――匿名のヤツを、なんでこちらが門戸を開いて相手せなアカンのって思うんです。僕は下品な人は好きですが、品のない人は嫌いなんです。下品・上品という言葉あるけど、志の高い下品もあれば、志の低い上品もある。そこは問題ないけど、そもそも品自体を持たない人がいるじゃないですか。そういう人は容赦なく遮断します。
及川―――松尾さんって、よく“糞リプ”に構ってる印象がある。
松尾―――いやいや(笑)。それは、戦うフリをしながら、すぐブロックして逃げてるだけですよ。まあ、それで溜飲を下げているところもありますけどね。
及川―――私、碇シンジ君(『新世紀エヴァンゲリオン』)の声優の緒方恵美さんに「糞リプに構い過ぎ」と言われたんですよ。「糞リプはナンボでも来るから無視した方がいいよ。真面目に構ってる有名人は、眠子さんとはるかぜ(春名風花)ちゃんくらいだよ」って。そう言われて、いやいや、私より松尾さんの方が糞リプに構ってるじゃんって思ったんだよね(笑)。
松尾―――ホント、僕は構ってるフリして、すぐブロックですから。
及川―――そこから私もミュートするようにしたんだけど、最近は私がミュートするよりも先にブロック逃亡される。
松尾―――相手が先にブロックしちゃうんだ(笑)。でも、汚いもん見なくて済むからいいんじゃないすか?
及川―――そうなんだよね。
松尾―――でも、そういう自分のカタルシスのために絡んでくる人は、まだマシですよ。厄介なのは、誰かが号令をかけたような場面。何故か同じような言い草で、ドッと来るときがありますよね。これは号令が出たなと思って調べると「ああ、この人かな?」という人が見つかる。でも、こういうときはブロックしてるとキリがないので、放置するに限ります。すると、また誰かが号令をかけたかのようにスッと突然止むんですよ。
及川―――1人の人が複数のアカウントを使ってるときもありますよね。数名が揃って同じ内容の糞リプを飛ばしてくる。百田尚樹さんと揉めた時もそうだった。
松尾―――あと、ロクに知らんと知ったようなことを書き込む浅い連中とかね。「松尾もついに左翼になったか」とか言うヤツおるけど、俺は昔から芸風変わっとらんわ!
及川―――全部を見ることもせずに、好き勝手に解釈して書き込みますよね。私が百田尚樹さんの騒動(※百田尚樹著『殉愛』に関する疑問点を及川さんがツイートしたところ、百田氏が及川さんを批判して炎上)に巻き込まれたときも、右翼っぽい人たちがガンガン文句を言ってきた。
松尾―――Twitterにいるのはガチ右翼じゃなくて、ネトウヨの毛が抜けたような奴らなんですよ。弱い立場の人を叩けばイイってことを「自分は右翼だ」と思って自己満足している人が多いんだと思う。