8年ぶりの復活、三陸鉄道釜石~宮古間初乗車
三陸鉄道リアス線開通から2カ月、フィーバーの余韻なお
オランダの風車を模した駅舎は、山田湾に浮かぶ大島という小さな島がオランダ島と呼ばれることにちなむ。江戸時代初期にオランダ船が来航した史実によるとのこと。そのオランダ島を一目見ようと海岸まで行ったのだが、震災後の護岸工事で高い防波堤が出来ていて海は全く見えなかった。
駅に戻ると、駅舎内の待合室はホテルのロビーのような豪華なものだった。ここで次の列車を待つのも悪くはない。しばらくすると、列車が入って来る音がした。ずいぶん早いなあと思ってホームをのぞくと、この路線には縁がないはずのJRのレストラン列車TOHOKU EMOTIONが停車していた。6月8日と9日に八戸から久慈、宮古を経て釜石まで特別企画のTOHOKU EMOTION SPECIALが往復するとのことで、その試運転列車だった。線路がつながったからこそ運転できる列車だ。やはり、鉄路による復旧は、バス転換と異なり、遠方からの直通運転も可能になり、沿線の活性化に寄与すること大なのだ。8年かかったけれど、復活して本当に良かったと思う。
陸中山田からは、大きな峠越えがあり、次の豊間根駅まで15分もかかる。さらに進むと宮古市に入る。市内には、このたびの復旧で誕生した駅が2つある。払川駅と、津軽石駅をはさんで、その隣の八木沢・宮古短大駅だ。少しでも利用客を増やそうとの取り組みは大いに評価したい。
宮古駅の一つ手前の磯鶏(そけい)駅の目の前にある公園にはキューロク(9600)形蒸気機関車が静態保存されていた。調べてみると、東北本線などで活躍したとのことで、地元の山田線を走った機関車ではなさそうだ。
最後に、河口近くの閉伊川を渡ると、宮古駅に到着する。リアス線は、さらに北上して久慈まで延びているけれど、乗ってきた列車は宮古駅が終点であるし、今回の再開区間はここまでなので、とりあえず、ここで列車旅を終えることにしよう。まだまだ開業人気は続きそうで、沿線は明るい雰囲気に満ちていた。
- 1
- 2