飲食店補償「必要ない」47% コロナ禍に見る日本人の利己主義【松野大介】
五輪を目前にひかえた時期にも東京・沖縄で緊急事態宣言が続く日本。コロナ報道について評論を寄稿する元芸人の作家・松野大介氏が、飲食店への要請が批判を浴びていることを踏まえ、あるアンケート結果からコロナ禍での日本人の意識を独自に解説!
■【飲食店を補償する必要はない 47%】
7月4日公表の共同通信世論調査の1つに、個人的に気になるアンケート結果があった。
「時短営業した飲食店への支援」について
「補償するべきだ」との回答 50%
「補償する必要はない」 47%
(無回答3%/全国18歳以上3千人)
「補償する必要なし」が半数近く! 話題に挙がっていないアンケートだが、私は〝補償するべき〟が大半(70~90%)と考えるので驚いた。(調査3~4月)
そもそもは昨夏、小池都知事が科学的根拠もなくホストクラブを始め夜に営業する飲食店を感染源としたのが発端。テレビが同調し連日にわたり歌舞伎町など〝夜の街〟を取り上げ、政府、全国の知事が「緊急」「まん防」のたび飲食店に休業要請した。
だが東京都モニタリング会議(昨年12月1週目)の感染経路では、同居(家庭内感染等)45.2%、施設(病院、高齢者施設等)19.9%、職場10.3%。問題の会食は6.1%で、接客を伴う飲食2.5%だ。(感染経路を公表した他県にも飲食関連が低いデータが多い)
飲食関連の感染が少ないのは休業させた効果と捉えるとしたら、飲食店への要請は緩和できるはず。なのに今年に入り、「酒」の提供禁止が小池都知事により提案され、全国の政治家が同調し、今回の緊急事態宣言では政府の酒関連の要請がエスカレート。
◉酒類販売事業者に対し、酒類提供を続ける飲食店と取り引きしないよう要請。
◉酒類提供自粛に応じない飲食店に対し「取引金融機関からの働きかけ」を求める。
さすがに「やりすぎ」「飲食関連が倒産する」と批判が集まった。批判噴出の今なら前出の調査を実施すれば違う結果が出たかもしれない。だが一概に「補償すべき」が増加するとも言えない気がする。
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