最も子を多く生ませた第11代将軍・徳川家斉は、ナイーブゆえのセックス依存症!? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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最も子を多く生ませた第11代将軍・徳川家斉は、ナイーブゆえのセックス依存症!?

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第62回~徳川家斉~

続いて、十二運星を見て、持って生まれたエネルギーを見ていく。

〇病(びょう):運勢エネルギー4

 ロマンチストで感性が鋭い芸術家タイプ。精神的世界に興味を持ち、神秘的なものを好む。

 数いる側室の中で、家斉が最も寵愛したのはお美代の方だったという。お美代の実父は下総中山にある法華寺智泉院の祈祷僧・日啓(にっけい)だが、家斉は智泉院を将軍家の祈祷所に指定し、せっせと通い続けたという。

 10代将軍・家治の長男、つまり本来であれば将軍家を継ぐはずだった家基(いえもと)が17歳で急死したため、将軍のお役目が家斉に回ってきたのであるが、家斉の病がなかなか回復しなかったとき、大奥では「家基のたたりではないか」とうわさになった。それを心配した老女が日啓を訪れたところ、そのうわさを知ってか知らずか、「家基の霊が上様の栄華をうらやみ冥界を彷徨っている」と伝えたという。震え上がった家斉は、木像を刻ませて智泉院に下付したり、若宮八幡宮の社殿を建てさせたりした。日啓の実力がいかほどなのかは知らないが、それほど目に見えない世界に対して一生懸命だったようだ。

 

〇絶(ぜつ):運勢エネルギー1

 「あの世」の意味を持つが、精神的孤独が強く、人に裏切られやすい。普通の生活は向いておらず、芸能界等に向いている。天才肌でもある。

 普通の生活をしていないという点では、将軍向きなのかもしれないが、頑張って現世に生きようと努力をしすぎると、精神的な孤独が強くなり、精神的病理傾向になる場合もある。もしかしたら、家斉は性依存症だったのでは?と考える所以の2つ目である。

 

〇長生(ちょうせい):運勢エネルギー9

 順応性が高く、勉強がよくできる。人から信頼を受ける。そのため、保険の営業マンや鑑定士に向いている。また、長生は長男、長女という意味を持ち、家を継ぐ役割を持つ。

 これまで鑑定した、3代将軍家光や7代将軍綱吉も、この星を持っていた。綱吉もだが、家斉も先に示したように、本来ならば将軍になる予定ではなかった。しかし、それでもやはりそのお役目が回ってくるというのは、家を継ぐ役割を持つ「長生」を持っている所以だろうか。また、人からの信頼感も強かったのだろう。

 

 今回は11代将軍・徳川家斉を四柱推命鑑定してきたが、天下の将軍様に申し訳ないほど、厳しい意見を色々言わせて頂いた。将軍職という特殊性の高い職業のために、それぞれの将軍が悩み苦しみ孤独感を感じていたものと思われる。そんな誰にも言えない不全感に打ち勝って天下を治めていてくれたことに敬愛の念を表する。特に家斉の場合は、群を抜いてナイーブであり、人知れずつらい思いをしていたのだろう。来世では普通の幸せを手にしてもらいたいものだ。

 しかし、やはり1人の権力者が長期間トップの座に居座るのは望ましくあるまい。慢心し、本来の志、本当に正しい道を判断できなくなる。この点はもちろん家斉だけに問題があるわけでなく、当時の制度、周りの体制にも責任の一端がある。もちろんこれは現代にも通じる。歴史から学び、政治や会社、協会等の体制づくりに役立てる必要がある。

 ただ、家斉の時代は一方的に否定されるべきものでもない。家斉が経済に無頓着だったお蔭で(!?)、庶民にお金が回り化政文化が花開いたと言っても過言ではあるまい。これにより、日本の芸術の質を押し上げ、ヨーロッパの印象派にまでも強い影響を与えた。世の中何が災いするかわからない。家斉が意図していたか否かは一旦置いておき、長い目で歴史を見る、おおらかな視点が必要である。

 

■四柱推命とは?

古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。

■用語説明

日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分

主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。

自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。

【参考文献】

「徳川家斉~第11代将軍として子どもの数は55人?」幕末維新風雲伝 https://jpreki.com/ienari/ (2019年6月18日最終アクセス)

「将軍・徳川家斉が「53人も子供を作った」ワケ」 山岸良二 東洋経済ONLINE  https://toyokeizai.net/articles/-/185922 (2019年6月18日最終アクセス)

「徳川将軍百話」 中江克己 河出書房新社 (1998)

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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