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自民党離れする保守層と共産党との関係

選挙直前!【日本共産党政権奪取の条件】このままでいいのか、今の日本。参院前に保守主義者・作家 適菜 収が語る!

■共産党と組んでもいいのか、ダメなのか?

 安倍は移民政策を採用しないと言いながら、移民政策を推進。日本はすでに世界第四位の移民大国になっている。二〇一四年のダボス会議では、徹底的に日本の権益を破壊すると宣言。電力市場の完全自由化、医療の産業化、コメの減反の廃止、法人税率の引き下げ、雇用市場の改革、外国人労働者の受け入れ、会社法の改正などを並べ立て、「そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう」と言い放った。

 典型的な〝ファミコン脳〟だが、これらの工作はほぼ完了したとみていい。日本の景色はすでに一変している。

 安倍はTPPを推進し、水道事業の民営化や放送局の外資規制の撤廃も目論んできた。入管法改定に関しては法務省がデータをごまかしていたことが明らかになったが、森友事件における財務省の公文書改竄、南スーダンPKOにおける防衛省の日報隠蔽、裁量労働制における厚生労働省のデータ捏造など、すでにわが国は常識が通用しない三流国になっている。これらはいずれも安倍案件だ。

 こうした中、「国益を守れ」「社会を守れ」「地域を守れ」と主張する日本共産党に国民が関心を持つようになったのは、当然なのかもしれない。急進的に国の形を変えようとする連中に比べ、旧態依然とした共産党の主張は「保守的」に見えなくもない。

 しかし、日本共産党とは相いれない部分も多い。私は共産主義も新自由主義と同様、近代が生み出した病の一環であると考えているからだ。

 日本共産党は本気で政権を取る気があるのか?

 そこで衆議院議員で日本共産党大阪府委員会副委員長の清水忠史氏にまとめて話を聞き、『日本共産党政権奪取の条件』(KKベストセラーズ刊)として参院選前に世に問うことにした。特に第三章、第四章では、党名、暴力革命、コミンテルン、唯物史観、自衛隊と憲法9条、ソ連・中国の暴走、日米安保、皇室に対する態度についてなど、かなり踏み込んだ議論ができた。

 要するに、多くの日本人が持っている共産主義に対する負のイメージに対し、今の日本共産党がどのように考えているか問い詰めた。

 必要なのは、まずは議論の足場をつくることだ。そして現実に対応することだ。

「宇宙人が地球に攻めてきているときに、米ソ対立もないだろう」と清水氏は言う。

 今は右左、保守革新、イデオロギーで対立している時間の余裕はない。国の破壊・解体、全方位売国を続けている勢力から、日本を守らなければならない。

 清水氏は「あとがき」でこう述べる。

「安倍政権は、外国人材を無秩序に受け入れる入管法を規制緩和。TPPやEPAにより日本の伝統的農業を海外に欧米に売り渡す亡国の政治を繰り返してきた。さらに、水道事業まで水メジャーの利益に差し出す民営化法まで成し遂げた。年金支給額は物価の上昇に遠く及ばず、むしろ下がった。米国のいいなりに兵器を爆買いする様には防衛省の元幹部でさえ首を傾げている。その上、消費税率の引き上げを企てる」

「『日本を取り戻す』との掛け声のもと、安倍政治が進めてきたのは結局、国民生活を破壊し、米国やロシアに屈服し、日本の文化と歴史を破壊する売国の政治に過ぎなかった」

 われわれのスタート地点は「常識」だった。

 「常識」の通用しない集団、嘘をついて国民を騙してきた集団には退場していただかなくてはならない。

 もう時間はない。

 安倍一味から早急に日本を取り戻すべきだ。

KEYWORDS:

『日本共産党 政権奪取の条件』
適菜 収、清水 忠史

 

日本共産党とは相いれない部分も多い。
私は、共産主義も新自由主義と同様、近代が生み出した病の一環であると考えているからだ。
日本共産党が政権を取る日は来るのか?
本書で述べるようにいくつかの条件をクリアしない限り、国民の信頼を集めるのは難しいと思う。
そこで、私の失礼な質問にも、やさしく、面白く、かつ的確に応えてくれる
衆議院議員で日本共産党大阪府委員会副委員長の清水忠史さんと
わが国の現状とその打開策について語った。
――――保守主義者・作家 適菜 収

 

作家・適菜収氏との対談は刺激的であった。
保守的な論壇人としてのイメージが強く、共産主義に対して辛辣な意見を包み隠さず発信してきた方だけに、本当に対談が成り立つのだろうか、ともすればお互いの主張のみをぶつけ合うだけのすれ違いの議論に終始してしまうのではないかと身構えたのだが、それは杞憂に終わった。
――――共産主義者・衆議院議員 清水忠史

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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