街金業者だから語れる―闇金との違い、お金の魔力、債務者のウソ―
書籍『ぼく、街金やってます』(著者/テツクル 8/2発売)より
■ぼく、街金やってます
はじめまして。
池袋北口の風俗ビルに入居する街金ではたらいているテツクルです。
投資家たちから年利10%でお金を借りて、債務者に15%で貸しています。
まず、街金を誤解している人が多いので、説明させてください。
街金と闇金はまったくベツモノです。
国や都道府県に貸金業者として登録して、強烈な監視の下でお金を貸しているのが街金です。
街金は、法律で定められた金利の範囲でお金を貸しています。
範囲といっても、上限いっぱいですが。
取立ても当然ルールの範囲内でやっています。
いまは、夜中に取立てしたり「おいこら! 内臓(自粛)」とか脅したり、勤務先に取立てに行ったり、家族から取立てたり、これぜんぶアウトです。
街金はルールをギリギリ守り、法定金利の上限ギリギリで貸しています。街金はギリギリセーフなんです。
だから、街金を闇金とごっちゃにされるのは心外です。闇金が「ワシ街金王!」とか言うからややこしくなるんです。
銀行やノンバンクから借りられない人に貸すのが街金、急な資金需要にも対応するのが街金、債務者との距離感がとても近いのが街金です。
街金は、債務者の資金繰りに口出ししたりします。
回収をスムーズにする目的が大半ですが、債務者の再起の可能性を模索しながらアドバイスすることもあります。
街金にお金を借りに来る人は、前述の通り、どこからもお金が借りられない人なので、街金の顧客は全員債務超過と言っても過言ではありません。
なのでぼくらは、債務者との距離を近く保ち、関係を築き、ちょっとした変化も察知できるようにしておく必要があります。
これを徹底しているので、弊社は創業以来貸倒れゼロです。これ自慢です。
ぼくがはたらいている街金では、年間100〜150人の多重債務者に融資をしています。
いまは不動産を担保に融資をしています。債務者が所有する不動産に抵当権を設定して融資をするんです。
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KEYWORDS:
『ぼく、街金やってます: 悲しくもおかしい多重債務者の現実』
著者:テクツル
東京・池袋で街金を営む著者のもとには、さまざまな多重債務者がやってくる。そして返すあてもないまま借金を重ねていく。そんな彼らの、悲しくも爆笑せずにはいられないさまざまなエピソードを面白おかしく、しかし赤裸々に、街金ならではの視点で紹介。
ほかにも、ブローカー、詐欺師、悪徳業者、反社など、日常生活では出会うことのない人々が続々登場。今まであまり語られることのなかった街金コラムも満載。あなたの知らないお金の世界が見えてくる!