お墓参りの新しいムーブメント 母の日にお墓参りする人が増えている
お盆にお墓まいりする人、しない人
「母の日」に亡き母の墓前をたずねる文化が 広 がっている理由
「母の日」はもともと、亡き母を偲ぶことから始まったわけですが、実は長寿社会の日本ではすでに、「母の日」に亡き母の墓前に訪れ、しばしの対話を交わす人がいるようです。
お線香のメーカーである日本香堂(東京・中央)が調査を行ったとこ ろ、 代以上の男女がゴールデンウィークから「母の日」にかけてお墓参 りをした人は、2007年に比べて2018年では倍近く拡大したという 数字が出ています。
確かに、母を見送った人にとって、「母の日」は贈り物を贈るギフト記念日ではもうないのでしょう。モノに代わって、〝祈り〞を贈る文化が知 らぬうちに芽吹き、根づきつつあることがわかります。 そこで、新たな「母の日参り」という言葉が生まれています。 文字通り、「母の日」にお参りをすることを意味するもので、世の中の 変化を感じ取った日本香堂が2009年からこの言葉を提唱し始めました。
同じころ、JAグループ和歌山のJA紀州が、「母の日参り」の活動を始めていました。
親が子供を虐待死させる事件が相次ぐ痛ましい世相を、自分たちが生産する花で少しでも和ませ、癒せないかというのが発端です。 2014年からはその両者が共同で「母の日参り」の普及に取り組み始 め、次第にその活動に共感する輪が広がっています。 そこで2017年に結成されたのが、「母の日参り」パートナーシップ です。業界の垣根を超えた有志企業・団体による共同体で、2019年8月時点で 13者に広がっています。 メンバーは、株式会社日本香堂、JAグループ和歌山、株式会社日比谷花壇、一般社団法人 PRAY for(ONE)、一般社団法人全国優良石材店 の会、一般社団法人日本石材産業協会、株式会社亀屋万年堂、株式会社清 月堂本店、生活協同組合コープさっぽろ、サントリーフラワーズ株式会社、一般社団法人花の国日本協議会、日本郵便株式会社、一般社団法人手紙寺。 「母の日参り」が、誰もが知っている歳時記となる日もそう遠くないのかもしれません。
KEYWORDS:
『亡き母への手紙』
「母の日参り」パートナーシップ編
愛する人を失った悲しみを、あなたは、どうやって乗り越えますか?
「ゴメンねと、綴るだけで和解ができる!」
「手紙コンクール」応募作品3,000通超より、追慕・悲嘆・後悔・郷愁……と様々な想いで綴られた珠玉の50作品を掲載。また、俳優・草刈正雄さんが、今は亡き母との思い出を語ったインタビューを収録。そして、誰よりも愛する人を亡くしたとき、何よりも大切なものを亡くしたときの“悲しみ”との上手なつきあい方について、上智大学グリーフケア研究所特任所長の高木慶子先生にお話を聞きました。
読み始めると“涙が止まらない“亡き母への手紙を、
どんな想いで綴ったのか……。
応募者に取材してまとめた「手紙の向こう側」では、
母との関係や家族事情、そして、”今と未来への決意“など、
誰しもが自分を重ねてしまう、また、意外な作品の背景も紹介しています。