親戚の家で暮らす俺に都会で働き仕送りしてくれた「母」への手紙
老いた「おかん」=祖母のオムツを替えた時
【親戚の家で暮らす俺に、都会で働き仕送りしてくれた「おかん」】
おかん、俺も年寄りになったぞ。
三歳で両親を失った俺がこの歳まで生きられたのは、おかんのおかげや。
ほんまは祖母やけど、俺はずっと「おかん」って呼んでた。
おかんは都会で働いて、親戚の家にいる俺に仕送りしてくれたなあ。
年に一度、お土産をいっぱい持って帰って来るおかんを、
俺は村のバス停でいつも首を長くして待っとった。
夜は、おかんにくっついて眠れるのが嬉しかった。 離れて暮らすのは寂しかったんやで。
でも俺が大人になって、老いたおかんのオムツを替える時に
「すまんなあ」と泣いたけど、
俺はおかんにオムツを替えてもろたんや、当然やないか。
最後に俺が「おかん! 行くな〜!」って叫んだ声、聞こえたか?
ずっと二人だけやったからなあ。
残された俺は大声で泣いたぞ。
小さい頃、おかんが都会へ帰って行くのを見送った時のように。
そうそう、俺に孫ができたんやで。
だから、俺を呼ぶのはもうちょっとだけ待ってな。
そのうち、また一緒に暮らそうな。
第 1 回『母の日参り』手紙コンクール応募作品 より。年齢は応募当時のものです。
戦後70余年にわたり、我が国の家庭文化に深く根を下ろした「母の日」。近年、GWから母の日(5月の第2日曜日)にかけてお墓参りを行い、亡き母を偲ぶとともに家族の絆を確認することが、中高年を中心に広がっています。「母の日参りパートナーシップ」は、 「母の日」が実は「亡き母を偲ぶ一人の女性の呼びかけで始まった」という由来を知り、長寿社会の今後にも色褪せることなく、人々の心に豊かさをもたらす記念日であるように、ソーシャル・キャンペーンを展開している13団体が集結しています。
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KKベストセラーズでは、亡くなった母へ向けて書かれた手紙をまとめた書籍『亡き母への手紙』の刊行を契機に、本稿を読んでいただいた方々にも、亡くなった“お母さん”への想いを綴ったメッセージを募集したいと思っております。
【応募してくださった方の中で上記にように取材および掲載をお願いさせていただく場合がございます】
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「母の日参り」パートナーシップ
戦後70余年にわたり、我が国の家庭文化に深く根を下ろした「母の日」。近年、GWから母の日(5月の第2日曜日)にかけてお墓参りを行い、亡き母を偲ぶとともに家族の絆を確認することが、中高年を中心に広がっています。「母の日参りパートナーシップ」は、「母の日」が実は「亡き母を偲ぶ一人の女性の呼びかけで始まった」という由来を知り、長寿社会 の今後にも色褪せることなく、人々の心に豊かさをもたらす記念日であるようにと、ソーシャル・キャンペーンを展開している13企業が集結した団体です。
追慕・悲嘆・後悔・郷愁…と様々な想いで綴られた“亡き母への手紙” 珠玉の50作品とともに、第2回コンクールの選考委員長を務められた俳優の草刈正雄さんやグリーフケア専門家の髙木慶子先生のインタビューも交え、
亡き母との絆を“前向きに生きる力”へと転換するヒントが凝縮された一冊。