歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第66 回~エリーザベト~
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第66 回~エリーザベト~
【十二運星】
〇長生(ちょうせい):運勢エネルギー9
長男長女の星。人から信頼される。
〇養(よう):運勢エネルギー6
幼児の星。かわいがられ、目上の人から引き立てを受ける。
〇建禄(けんろく):運勢エネルギー11
王子様の星。何かを継承する役割を持ち、発展性、安定性がある。大勢の人に応援してもらえる。
今回は、悲劇のヒロイン、エリーザベトの四柱推命鑑定してきた。全体を通して思うことは、やはりお堅いオーストリア帝国に治まるべき存在ではなかったということだ。地位や名誉はなくても、もっと自由に楽しく暮らせる環境が、遊び心たっぷりの彼女には合っていた。しかし、エリーザベトにとって苦痛な環境の中でもなんとかバランスを取り続けようと必死に抗い続けた彼女の強さも見て取れた。逆の言い方をすれば、自由の利かない環境だったからこそ、エリーザベトの人道主義者としての才能が開花し、ハンガリーの救世主になり得たとも言える。そう考えると、本人にとってどんなに辛い環境にあってもそれは運命で、その中でやらなければいけない使命が人それぞれにあるということになるのかもしれない。
ところで、夫・フランツ・ヨーゼフ1 世の性格にはあまり触れてこなかったが、彼は非の打ちどころのない美男子で、完璧な優等生であった。勤勉で誠実、時間に正確で几帳面、自分の行動に責任を持ち、踊りも上手…ドイツ宰相・ビスマルクも、彼の唯一の欠点として「お年の割に真面目すぎるところ」と言ったほどだ。そんな完璧人間の彼が、あえて自分と真逆の性格をもった、自由奔放、学業嫌いでトラブルメーカーのエリーザベトを妻に迎えたことは最大の矛盾である。エリーザベトが夫を愛していたのかはわからないが、間違いなく逆は言える。皇帝は最初に出会った瞬間から暗殺の日まで愛し続けた。彼女の死の翌日「私がこの女性をどれだけ愛していたか、おわかりになりますまい」と話したという。「人は自分にないものを求める」とよく言うが、まさにその典型のような夫婦であったと思う。
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。
■用語説明
日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分
主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。
自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。
【参考文献】
・「皇妃エリザベート ハプスブルクの美神」カトリーヌ・クレマン 創元社 (1997)