「不妊」は意外に多い“待機里親”の無念
~子ども育てたいという想い~
血がつながっていなければ親子になれませんか?
「不妊」は意外に多いという事実
養子をもらって里親になることを望んでいる夫婦は大勢います。しかしその多くは縁組がなかなか実現せず、いわゆる「待機里親」と呼ばれる状態にある、というのが今日の状況です。
そして、そのような夫婦のほとんどが、実は「不妊」に悩んだ経験を持っています。
意外に思われるかもしれませんが、「不妊」に悩む夫婦は、日本においてもそれほど珍しいものではありません。「避妊」の重要性については日常の中でも耳にする機会が多いと思いますが、対照的に「不妊」についてはあまり知られていません。
不妊という現象は耳にしたことがあっても、「あれほど避妊避妊と言われているくらいなのだから、不妊に悩む人は少ないのだろう」という認識でいる人が多いのではないかと思います。
確かに人には話しづらいテーマですから、身近で話題になる機会が少ないこともうなずけます。しかし実際には、厚生労働省が平成27年に行った調査(第15回出生動向基本調査)によると、不妊の検査や治療を受けたことがある人の割合は18・2%にもなり、さらに年々増加傾向にあります。5〜6人に1人が何らかの形で不妊に悩まされているわけです。
想像以上に多くの人が不妊に悩まされる理由には、昨今の晩婚化の傾向があるでしょうし、妊娠に関する知識不足もあるかもしれません。
また「不妊症」は、男女どちらにもそれぞれ起こり得る症状です。あまり関心がなかった人も、性別にかかわらず自分もかかわる可能性がある問題として捉えるべきでしょう。
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『インターネット赤ちゃんポストが日本を救う』
著者:阪口 源太(著)えらいてんちょう(著)にしかわたく(イラスト)
親の虐待や育児放棄を理由に国で擁護している約4万5000人の児童のうち、現在約7割が児童養護施設で暮らしています。国連の指針によると児童の成育には家庭が不可欠であり、欧米では児童養護施設への入所よりも養子縁組が主流を占めています。
本書ではNPOとしてインターネット赤ちゃんポストを運営し、子どもの幸せを第一に考えた養子縁組を支援してきた著者が国の制度である特別養子縁組を解説。実親との親子関係を解消し、養親の元で新たな成育環境を獲得することができる特別養子縁組の有効性を、マンガと文章のミックスで検証していきます。