丹波でめぐる明智光秀ゆかりの地⑪ 波多野秀治の墓の伍 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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丹波でめぐる明智光秀ゆかりの地⑪ 波多野秀治の墓の伍

季節と時節でつづる戦国おりおり第485回

丸に抜け十字

 えーと…

 こ、これはっ!波多野秀治の「丸に抜け十字」ではありませんか!誓願寺のお墓にもこの紋が刻まれていましたよね。

 表に回ってみました。こちらの御屋敷、波多野秀治の子孫の方が代々お住まいになられていたものを保存しているそうです。そりゃあ、丸に抜け十字紋も使われる筈です。墓所も、ここでご子孫の方が住まわれていたからこそ営まれたわけですね。そりゃそうだ。

 説明板などによると、まだ乳児だった秀治の次男・甚蔵が乳母に抱かれてこの地に落ち延び文保寺(ここから南西2キロにある古刹)に隠れ僧となったあと、源左衛門定吉と名乗って篠山藩の家臣(代官)になったと伝わっています。ご子孫の方が最近絶えてしまったとのことで、残念ですね。
とはいいながら、この味間奥の墓所と御屋敷跡は非常に収穫でした。

 後世に作られたという長屋門も、良い雰囲気。

 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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