地元の人さえ知らない代官山の豪邸廃墟。あなたは知ってますか?
知ってる人も驚く! 16億円の土地に佇む廃墟の中が見えた!! ナゼおしゃれな街代官山に、こんな廃墟が? 噂の真相に迫ってみた
■夢破れ、工事は止まり、触らぬ神に祟りなし
入手した土地登記簿によると、ジェフリ・ボルキア氏は1994年12月に目黒区青葉台一丁目88番1の所有権を取得している。場所は代官山ヒルサイドテラスの裏。面積は1044.36㎡、約316坪。バブル崩壊後とはいえ、この土地を乙区なし(=借り入れなし)で購入とは驚く。
プール付きの自邸を建設する予定だったとされるジェフリ・ボルキア氏だが、工事は途中で止まり、現在は鉄骨むき出しの廃墟がさびしく佇むばかり。鬱蒼と生い茂る緑を見ていると、「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」という松尾芭蕉の句が思い起こされる。
ブルネイの兵には何があったのか。
米国のヴァニティフェア誌によると、ベントレー、ロールスロイス、フェラーリといった超高級車コレクション2300台に自家用飛行機8機など、ジェフリ・ボルキア氏の所有物は豪勢を極めていたという。
1986年から1997年にかけてブルネイの蔵相とともに投資庁のトップも務め、VIPとしてのポジションも生半可ではなかった。だが、彼の転落は自身が経営していた建設会社の倒産が発端となる。赤字補填に国家予算を流用していたことが明るみになってしまったのだ。
これにより、国王からは「金を国庫に返せ」と訴訟を起こされてしまう。王室のイメージを損ねたジェフリ・ボルキア氏が失脚したのは言うまでもない。母国を離れて英国のロンドンで暮らすことになった。
これらのいきさつを経て、豪邸建設計画は頓挫。それどころか、彼は固定資産税や都市計画税の支払いも怠ったため、2000年には差し押さえを喰らってしまう。代わりに税金を支払ったと推察されるのが、2009年に本件不動産の所有権を取得しているブルネイ投資庁。かつて、ジェフリ・ボルキア氏がトップに君臨していた組織だ。
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