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北の刺身料理はイカソーメンにとどめを刺す

男を強くする食事革命④

 イカソーメンの作り方は、とても簡単です。まず、一杯のイカの足を抜き、身の部分の皮をはがします。それから身を開き、刺身包丁で縦に細く切っていきます。なぜ、縦に切るかと言いますと、イカの胴体の部分の繊維は横に走っています。この繊維を縦に切ることによって、より食べやすくなり、かつイカの身のうまさを引き立てることができるからです。また、イカをそうめん状に細く切ることには、アニサキスという寄生虫を予防する効果もあります。近頃、とみに注目されるようになったアニサキスは、魚介類を中間宿主として寄生し、それを食べることによって、人の胃腸にアニサキス症という感染症を起こします。胃腸の中に入ったこの寄生虫は、皮膚に刺さっていく傾向にあり、猛烈な痛みを発症します。したがって、生の魚介類を食べるときには、十分にこの寄生虫を排除しなければなりません。

 イカの刺身をつくる場合も、まず皮をむいた身の部分を灯に照らして、虫がいるかいないかを確かめ、さらに念のために細かく身の部分を切ることによって、虫を排除することができるのです。

 こうして食べると、安全なうえに、なおかつイカの旨みが十分に引き出せるようになります。

 とにかくイカソーメンは、文句なしにうまいの一言に尽きます。かつて、札幌に講演に招かれたときに、宿泊したホテルの寿司屋でこのイカソーメンを食べたことがあります。

 そのときは、そうめん状に切ったイカを載せた軍艦巻きを出してくれました。このときの寿司の旨さは、北海道生まれの私でさえ驚くほどの美味でした。今考えてみると、板前さんの包丁さばきが抜群で、あまりの美味しさにいくつもいくつも、この軍艦巻きをアンコールしたほどでした。

 札幌には三日ほど滞在しましたが、夜になるとあの軍艦巻きが忘れられずに、毎晩寿司屋に通ったものでした。

 近頃では、東京や横浜の寿司屋でも、このイカソーメンを握りで出してくれるところも増えてきました。私のように、イカの本当のうまさを知っている者にとっては、嬉しい限りです。ともかく、イカには男性の若さを保つ原料となる、コレステロールがたっぷりと含まれていて、なおかつ動脈硬化を防ぐEPAも含まれています。したがって男性が口にする食材としては理想に適ったものと言えるでしょう。

 シニアの声を聞く年になった男性諸君は、このイカソーメンをおおいに口にして、生涯現役を目指してがんばって欲しいものです。

KEYWORDS:

『男を強くする!食事革命』
志賀 貢 (著)

 

“80歳超で現役”の著者が、人間の性に関するデータを駆使。
医者が教える中高年の絶倫勝負メシ!

◎男の精力は肝臓に支配されている
◎弱った精力はスルメのコレステロールに頼れ
◎酒は名刀ペニスの錆止めだ
◎卵で睾丸の若さを保て
◎タコを食べて性のスタミナを保て

世の男性諸君よ! 命が尽きるまで色気を失わず
男でいるために食生活に革命を起こせ!

人生百年時代——。高齢になっても性欲や色気を持続させることが大変であることは、男性ならば誰でも、多かれ少なかれ気がついているはず……。実は、何気なく思われる生活習慣の常識にこそ、その悩みを解決する鍵があるのです。我々の先人が研究した人間の性に関するデータを駆使して、80歳を超えてなお現役の著者が、医者として人生をいつまでも楽しむために役立つ方法を探りました。食生活に、今こそ男を強くする革命的な変化を起こそう!

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志賀 貢

しが みつぐ

医学博士

北海道出身。医学博士。昭和大学医学 部大学院博士課程卒業後、臨床医とし て 年以上にわたって診療を行い、現在も現役医師として日々患者に接して いる。その傍ら、文筆活動においても『医者のないしょ話』『臨終の七不思議』『臨終医のないしょ話』『孤独は男の勲章だ』をはじめとする小説やエッセイを執筆。累計20万部のベストセラー『女を「その気」にさせる技術』や『知的 性生活』など、医師の立場から性を考 える書籍は常に話題を集めている。また、美空ひ ばり「美幌峠」「恋港」の 作詞も手掛け、北海道の屈斜路湖畔を臨む美幌峠には歌碑が建立されている。


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