『グランメゾン東京』~努力の人・木村拓哉の背中についていきたくなる大人の青春ドラマ~
今宵、どんなドラマを描こう 第1回
■老けることが美徳へと変わる、キムタクの佇まい
主演の木村さんを見ていてふと気づいたことがある。
「(あれ? 毎度ドラマに出るたび、髪型を変えている……?)」
彼を推す人にとっては、何を今さらと怒られそうだ。今回は大人の不良っぽさを醸し出すためのなのか、メッシュの入った明るめカラーに耳を出した、パーマヘアスタイル。凡人が真似をすると本気で火傷をする、いい男にしか似合わない雰囲気ヘアだ。そして思い返すと、これまでの主演作品で木村さんは見事にヘアスタイルを変えてきている。作品のことを思い出すと、一緒に彼の七変化を遂げる髪型の記憶が一緒に浮かんできた。ここまで変えてくるタレントさんをあまり他に思いつかないし、どんな髪型も自分のモノにしているパターンも珍しい。
もちろん第三者の意見もあるとは思うけれど、やはり自身のブランディングのなせる技なのだろう。けして友人でもないのに、彼のことを想像するとめちゃくちゃ努力の人だと断定してしまう。尋常ではない荒波とムーブメントが、たびたび彼の人生へ押し寄せてきたのは、日本国民の知るところ。でもそんな過去を振り返るのではなく、ただひたすら努力して私たちを喜ばせようと、真摯に役に向き合っている。その結果が現在の彼の存在値だ。
ビジュアルを保つためのジム通いやら、何やらストイックにこなしているのはインタビューでも読んだ。他にも英語、料理となんでも器用そうにこなす。役に対して、髪型ひとつを取っても手を抜かない。そんな彼だからこそ、今回の『グランメゾン東京』で、木村さんにほうれい線とまぶたのたるみが少し見えた時に
「キムタク、老けたね……」
と、落胆するのではなく
「キムタク、老けたねえ(笑)」
と、なんだか喜ばしい気持ちになった。老けていく様子に人間味を感じて、なんだか愛おしく感じてしまった。そんな王子様に毎週会えるなんて、残り2ヶ月の2019年も捨てたもんじゃない。
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本連載、著者の小林久乃さん初の著書
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