キュリー夫人 【歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第68回】ポーランド出身の偉大な科学者の数奇な運命が明らかに!
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第68回~キュリー夫人~
〇知性30%(印綬)
知性は、知識が豊富で物事を論理的に捉えることが得意、知識を得ることに喜びを感じる星。中でも、「印綬(いんじゅ)」は、幅広い知識を持ち、学校の勉強が得意。勉強が好きで読書や研究に没頭できる。キュリー夫人はこの星を「主星(しゅせい)」という、通変星の中で最も大事な場所に持っており、非常に頭のいい人物であったことが伺える。
ポーランド人の父・ブワディスカと、母・ブロニスワバの元に、5人兄弟の末っ子として生まれたキュリー夫人。父はロシアのペテルブルク大学で数学と物理の教鞭をとっており、母親も女学校の校長を勤める等、両親ともに優秀な教育関係者であった。そんなDNAの影響もあってか、キュリー夫人は小さい時から読書も勉強も好きで、勉強のすべての面でぬきんでた能力を発揮した。15歳の時、国立の女学校を首席で卒業し金メダルをもらった。
その後、女性としての壁、ポーランド人としての壁を乗り越えながら、勉強、研究を続けた。キュリー夫人はフランスの大学で博士号を取得した最初の女性であり、パリ大学の教授となった最初の女性であり、さらにノーベル賞を受賞した最初の女性であり、2つの科学分野でノーベル賞を受賞した最初の人であり…と、頭がよく、何よりも勉強や研究に喜びを感じていたことは言うまでもない。
〇自立心20%(劫財)
自分の信じた道を突き進み、リーダーシップを持っている。中でも「劫財(ごうざい)」は、組織をまとめることができるリーダータイプ。社交性が高い。欲しいものはどんな手を使っても手に入れようとする強い星。
夫・ピエールとの関係に目を向けたいと思う。夫・ピエールは研究者としてはやり手であったが、研究一筋で一般的な家庭生活には向かなさそうな真面目な性格だった。川島(2010)は「中世に生まれていたら修道僧にでもなって一生僧院の奥で研究していただろう」と述べているが、研究にしか興味のない彼は、一般的な男性が思い描くような「献身的な妻」は全く求めておらず、無理やり自分の欲望に従わせ続けようという気もなかった。そんな中出会ったのが科学に理解があり、同じ価値観を持つキュリー夫人だ。熱烈なプロポーズをして2人は結ばれた。そんなピエールだからこそ、研究にこそ興味はあれ、名誉やお金にはまるで関心がなかった。しかし、研究を進めるためにはお金が要る。女性の仕事への理解が薄かった当時、夫を前面に出して研究費をもらうしかない。キュリー夫人は、夫を立てながらも、夫の尻を叩き続け援護射撃を送り続けたのだろう。ピエールはソルボンヌ大学の教授の地位を得、パリの科学アカデミーの選挙に立候補、何とか当選し研究費を得ている。キュリー夫人が夫を上手に動かし続けたのだろう。
〇行動力10%(偏財)
行動力とは、頭で考えるよりも行動で結果を出そうとする星。中でも「偏官(へんかん)」は、短気で攻撃本能が強い。野性的な星でもある。また、女性で持っていると、「恋愛の星」という意味。
キュリー夫人は考える前に動いてみるというガツガツした行動力も持っていたのだろう。キュリー夫人は夫ピエールと共同で研究や実験を行った。最初の研究室は、掘立小屋であり、この場所を訪問したドイツの科学者オストヴァルトは「馬小屋とジャガイモ倉庫を足して2で割ったもの」と例えている。そんなお粗末な研究室での研究は、長時間の肉体労働を要するものだったという。新しい元素を見つけたことを証明するために、キュリー夫妻は鉱石を化学成分単位にまで割ったり、大釜を1日中かきまわしてたくさんのサンプルを作ったりと大変な作業も多く、肉体労働で毎日ヘトヘトだったという。
続いて、十二運星を見ていく。様々な解釈の仕方があり、例えば年柱は20代まで、月柱は30~60歳くらい、日柱は晩年を表すという意味(現代、寿命が80歳の場合)や、年柱は親から受け継いだもの、月柱は仕事や結婚、日柱はプライベートという意味もある。ここでは一般に重要とされている月柱、日柱、年柱の順番に鑑定していく。
「絶(ぜつ)」
運勢エネルギーが「1」であり、十二運星の中で最も低い。輪廻転生で言うと「あの世」の意味を持つ不安定な星。常に精神的孤独を感じており、人から裏切られる経験も多い。しかし、一方で天才肌でもあり、尋常でない才能を発揮できる可能性もある。芸能人等で持っている人が多く「絶」を持っている人は普通の生活は向かない。
そう考えると、キュリー夫人はまったく普通の生活は送っていなかった。女性としての研究者としての道を切り開き、大スキャンダルまで引き起こした。だからこそ「絶」という天才肌の部分が存分に生かされたのだろう。
「冠帯(かんたい)」
女王様の星。「帝旺」(王様の星)、「建禄」(王子様の星)とともに「身強(みきょう)の星」と呼ばれ、エネルギーが高く人の上に立つことができる。女王様のように、華やかさを好み、社交の場で活躍する。独立精神旺盛で、中年以降に成功する。
以上、キュリー夫人を鑑定してきたが、イメージしたように非常に頭のいい女性であり、ガツガツした行動力や夫を上手に動かす自立心を持っていたことが明らかになった。一方で、苦労の多かったキュリー夫人であるが、それは四柱推命鑑定結果に表れているように、神の定めで逃れることはできないものであり、むしろ苦労を経験したからこそ、成功を手に入れたことが分かった。最終的には自らが作り出した放射能物質が原因で被爆し、命を落としたキュリー夫人。最後の最後まで自分自身の運命に翻弄されるも、四柱推命の命式表を通してキュリー夫人と対話していると、そんな苦労までも喜んでいたのではないかという気さえしてくる。そんなキュリー夫人は間違いなく多くの女性の希望の光であり、イギリスの歴史専門誌「BBCヒストリー」が発表した「世界を変えた女性100人」で、見事1位となっている。
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。
■用語説明
日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分
主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。
自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。
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