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日本中が歓喜に沸いたパレードが再び!雅子さまや紀子さまの普遍的な美の真髄

皇室御用達の与儀美容室が語る御婚儀の舞台裏

 それから遡ること三年前の平成二年六月、それまでの仕事ぶりから、秋篠宮妃紀子さまの御婚儀のお支度をご用命いただきました。この御婚儀は「紀子さまブーム」の影響もあり、平成最初のご慶事として大変注目されておりました。

 御婚儀のお支度がすべて終わり母が顔をあげ祖母に目を向けると、仕事に集中していたのか、祖母の白目は真っ赤に充血していました。

「あら、目が真っ赤よ」

「あら、あなたも真っ赤よ」

 祖母に言われて鏡を見ると母の目も真っ赤。よく見るともうひとりのスタッフの目まで真っ赤で、思わず三人で顔を見合わせて笑ったそうです。

 この日のために練習を重ね、抜かりなく準備をしていた母たちですが、世界中から注目を浴びる美しいプリンセスをお手伝いするプレッシャーから極度の緊張状態にあったのでしょう。

 手前味噌で大変恐縮ですが、この時の紀子さまのスタイル、そして後の雅子さまのスタイルは、今見ても充分に美しいと言っていただける仕上がりなのではないでしょうか。

 私たちが皇室のお支度をさせていただくときに、もっとも大切にするのは、「オーソドックスであること」です。時代や流行にとらわれない、タイムレスな美を追求しております。10年経っても50年経っても美しいと思っていただけるスタイルづくりが永遠のテーマだと言っても過言ではありません。

 その上で、その方本来の美を引き出すように心がけています。

 メイクに関してもいかにも「メイクをした」というような不自然なメイクや濃いメイクはせず、その方の美しさを引き立たせることを常に意識しています。

「今日のメイクはおきれいですね」と言われることは、私たちにとって褒め言葉でも何でもありません。「今日はなんだかおきれいですね」と言われるような、ナチュラルな美しさを引き出すのが仕事なのです。

「美容の真髄とは、その人本来の美を引き出し、その日の元気と生きる勇気を与えること」という祖母の言葉のとおり、私たちの仕事はその方のお人柄や内面からあふれる美しさを引き出し、笑顔になっていただくことなのではないでしょうか。

KEYWORDS:

『与儀美容室がお客さまから学んだ美しい生き方』
与儀育子

 

戦前、銀座の「資生堂美容室」で働いていた初代・与儀八重子氏が1948年、焦土となった銀座の一角に「シャンプーができる美容室」として開業したのが与 儀美容室のはじまり。その後、丁寧な仕事ぶりや革新的な技術の導入、さまざまな縁も重なって宮家が通うようになり、その後、順宮厚子内親王殿下(池田厚子 さま)の婚礼の支度などを任されるようになる。さらに紀子さまの婚礼支度、雅子さまの婚礼支度、眞子さまや佳子さまの式典や晩餐会でのお支度など、皇室か ら信頼される一流美容室に。さらに与儀美容室は、縁あって山中教授や本庶先生など、ストックホルムで行なわれるノーベル賞受賞者の授賞式支度もされていま す。
そんな一流美容室でありながらも、モットーは「お客様目線」。例えばカラーで白髪を隠そうとしている客に対してカウンセリングし、白髪を活かす「グレーヘ ア」を提案するなど(※そのままカラーをすれば、当然カラー料金が利益になるが、個人の髪質やスタイルなどを踏まえ、客のためにならないことはしない=利 益のみを追求することはしない)、偉ぶることのない仕事ぶりはテレビなどでも特集されています。
本書は皇室御用達ながらも、けして高飛車になることなく地に足をつけた仕事ぶりで高い評価を得ている与儀美容室の「仕事の流儀」を紹介。さらに三代目であ る与儀育子氏が考える将来の展望なども含め、あまり語られることのなかった、与儀美容室の「今まで」と「これから」にも迫ります。

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与儀 育子

よぎ いくこ

与儀美容室

美容師

1949年創業、結婚式場として有名なホテルオークラ内にある与儀美容室は70年の歴史を誇る。与儀育子氏は、皇室女性担当として、プリンセス達に美しい髪を届けてきた与儀美容室の三代目。初代である祖母の八重子氏、そして母のみどり氏から受け継いだ、丁寧な仕事ぶりから、皇室のみならず、日本人ノーベル賞受賞者(山仲教授、本庶先生など)、経済界の著名人などが通う、一流の美容室である。


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