イノシシを食べよう! ~ジビエって何?
【第12回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件
【そもそも、ジビエって何?】
皆さんこんにちは! 茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新米猟師をしているNozomiです! さて、前回は罠師の山の歩き方、装備品、必需品アイテム、服装などについてお伝えさせて頂きましたね! 今回は、イノシシの栄養や食べ方など『ジビエ食』についてお伝えさせて頂きたいと思います。巷では『ジビエブーム』なんて言われていますが……そもそも“ジビエ”って何って思いませんか? 私も自分が狩猟を始めるまでは全く“ジビエ”について知らず「羊のことかなぁ……?」くらいにしか思っていませんでした。私の拙い文章を通して少しでも“狩猟”に興味のある方、すでに“狩猟”に携わっている方、そして何より“いのち”と向き合っている方のお役に立てれば幸いです。
さて、皆さん。そもそも“ジビエ”って何語でどんな意味なのでしょう? 日本ではあんまり馴染みがない気がしますね。それも当然、ジビエはもともとフランス語のgibierという単語で、食材として捕獲された野生の鳥獣の事を指し示しています。ちなみに英語圏ではゲーム(game)と呼ばれているそうです! 英語圏では狩猟のことをゲーム(game)と呼んでいるので、狩猟肉の事をそのままゲーム(game)と呼んだり、“wild game meat”と呼ぶのですって! へぇぇ!
ジビエ肉は生産管理が難しく、フランスでは“超”高級食材として扱われることもしばしばだそうです。日本ではなんとなく、もっと野性的なイメージがありますが……そういえばもともと“狩猟”は海外の貴族のたしなみだったので、狩猟で捕れたお肉も高級食材になるわけですね。
イメージと言えば! 先日、ザリガニを食べた話を女性の友人にした時に『ザリガニ!? おえぇぇぇーっ!』と言われてしまいました……(;´・ω・)
ザリガニも日本ではドブ川などにいるイメージが強く不衛生で汚いイメージがありますが、一匹の可食部位がとても少なく、風味豊かな味わいで、フランスではかのオマールエビに匹敵する高級食材なんです。逆に以前、アメリカに少しだけ住んでいた時に、寿司が食いたくてしょうがない病にかかり、現地の友人に『タコが食べたい!』と言ったら、『オーマイガー信じられない!』と言われてしまいました……。実は世界ではタコを食べる国は極少数で“汚らしいもの”というイメージがついているようです。また、日本では愛玩動物である犬を生産管理して食べる国もありますし。昆虫食の文化が根付いている国だってあります。ちなみにタコを食べる国より、昆虫を食べる国の数のほうがずーっと多いんですって。食の文化というのは本当にそれぞれですねぇ。
それでは話を戻してジビエの種類を見ていきましょう。
【主なジビエとその味わい】
《鳥類》
♦マガモ(colvert、コルヴェール、真鴨)
家畜ガモに比べて、身が引き締まって赤みが強く風味が強い。鴨鍋や鴨しゃぶがおすすめ。海外ではオリーブオイルでじっくり煮込むのが定番料理だそうです。
♦アヒル(canard、カナール)
脂身が多く、身が柔らかい。癖は弱く万人受けする味わい。北京ダックが有名ですね!
♦ヤマウズラ(perdreau、ペルドロー)
鳥のジビエとしては代表的。肉質は淡白な灰色のもの、野性味の強い赤色のものとがある。1歳以下の若鳥を「ペルドロー」、それ以上を「ペルドリ」と区別し、ペルドローの方が柔らかくおいしいとされている。柔らかく上品な味わい。ソテーや、お腹に野菜を詰めて丸焼きにするのがおすすめです。
♦キジ(faisan、フザン)
雄より雌の方が肉質が柔らかく、珍重される。うまみが強いが非常に淡泊。ローストやキジ鍋がおすすめ。鶏肉に比べ、低脂肪、高タンパクでカロリーも低い。
♦ライチョウ(grouse、グルーズ)
※日本では特別天然記念物の為狩猟できません。
フランスでは定番のジビエ料理。気候の変化で年々減少傾向にあります。若干の苦味とコクがあり、強い存在感のある味わい。欧米では少し前までは、ライチョウのローストが最高の贅沢として、クリスマスなどの特別な日にふるまわれていました。
♦ヤマシギ(bécasse、ベカス/ベキャス)
フランスでは非常に希少価値が高く、狩猟禁止になっている。超高級食材。肉質は柔らかく、繊細。味わい豊かで、うまみとコクがあり、非常に美味。内臓に高い価値が置かれ、ジビエの王様と言われています!日本では狩猟可能なので是非、食べてみたいジビエです……(ごくり)
《獣類》
♦野ウサギ(lièvre、リエーヴル)
ビエの中ではクセが強く、また肉質も硬くパサつきやすいが煮込むことによって緩和される。鍋にしたりや丸ごと煮込むことが多い。赤身が多いので、鉄分やミネラルが豊富で女性にオススメ。一昔前まで、ウサギ鍋はマタギにとって“冬のごちそう”と言われ親しまれていた。
♦シカ(chevreuil、シュヴルイユ)
クセの少ない淡白な赤身肉。しかし、急所を狙い、一発で仕留めないと、肉に血が回ってしまい臭くなってしまうため、ハンターの腕前が問われる。ローストやステーキにすると絶品。
♦イノシシ(sanglier、サングリエ)・仔イノシシ(marcassin、マルカッサン)
味、料理法等は豚肉に準じる。やはり血が回ると臭くなってしまうので止め差しや、血抜きでその味わいが決まる。豚肉に比べて、高タンパクでカロリーが低い。癖はなく、カレーやレラバニラが美味しかったです。特に角煮は絶品。是非一度は食べてもらいたい一品です。
♦クマ(ours、ウルス)
肉の大半は脂身で、口どけが良い。一般的に匂いが強いと言われているので佃煮やビール煮、大和煮など、においを消すような調理法が多い。コラーゲンが豊富で美容効果が高いので女性におすすめ。
♦アライグマ(ratons laveurs、ラトン・ラヴール)
赤身の部分はあっさりとした味わい。癖もなく肉質も柔らかい。クマと同じく、コラーゲンが豊富で美容効果が高い。ソテーや丸焼きがおすすめ。
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