イノシシを食べよう! ~ジビエって何?
【第12回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件
【美味しくて、ヘルシー! イノシシ肉のすすめ!】
さて! ジビエ肉について軽くお勉強したところで、私が狩猟しているイノシシ肉についてフォーカスを当てていきましょう。イノシシ肉についてですが、現代の日本ではイノシシ肉が日常でスーパーに並んだり、お肉屋さんで簡単に買えるわけではありませんよね。
それではイノシシ肉は、最近のジビエブームによって食べられ始めたのでしょうか?
いいえ!! そんなことありません。なんとイノシシ肉は遥か昔の縄文時代から、表向きでは生食が禁忌とされて禁じられていた平安時代~江戸時代でも広く食されていました。獣肉禁止だった当時、栄養価が高く貴重なタンパク源であるイノシシ肉を食べる為に人々はさまざまな隠語をつかいました。獣食がタブーだったので「牡丹肉」、「山くじら」などと獣以外の呼び名で呼んで食していたんですね。ダメって言われていてもどうしても食べたかったのでしょう……! ほほえましい努力です。
イノシシ肉の栄養素についてですが、イノシシ肉は低カロリーで脂質が低い上に、高タンパク、さらにビタミンB郡が豊富に含まれているというスーパーミートです(≧◇≦)そしてなんといっても、美味しい!
図1にイノシシ肉、豚肉、牛肉の100グラムあたりの栄養成分をまとめてみました!イノシシ肉のスペックの高さが浮き彫りになりますね!
ハイスペックなイノシシ肉ですが、気を付けて頂きたい点もあります。日本においては、野生のイノシシは屠畜場法(獣畜からの感染症の蔓延を防止するための規制に関する法律)の対象外になる為、十分な安全管理がされていません。野生に育った個体を狩猟するので、解体までに病原微生物や寄生虫の検査が行われておらず、寄生虫症やE型肝炎ウイルス、病原性大腸菌などの食中毒原因病原体に汚染されている可能性も大いにあります。実際に汚染された肉を食べていなかったとしても、汚染された肉を食べた人からの輸血などでも感染症を発症してしまった事例があります。近年のジビエブームの影響で国内のE型肝炎ウイルス感染者は毎年増加しているんです(; ・`д・´)
E型肝炎ウイルスは、70℃以上で10分間、 95℃以上であれば1分間の加熱により感染力を失います。
生食はホント駄目、ゼッタイ駄目です! 特に妊婦や高齢者の方がE型肝炎ウィルスに感染すると、劇症化になりやすく最悪の場合死に至ります。イノシシ肉のみならず、ジビエ肉を食べる時はしっかりと火を通して食べましょうね。
【終わりに】
今回は、イノシシの栄養や食べ方など『ジビエ食』についてお伝えさせて頂きました。今、大注目のジビエ肉ですが、リスク管理はご自身でしっかり行いましょう。しっかりと過熱して食べることが大切です。次回はジビエ肉についてもっと掘り下げて、皆さんが口にしているジビエ肉の可食部位や不可食部位、精肉過程などをお伝えしていこうと思います。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。
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