自己成長しながら休む「リトリート」の勧め
-本当の意味での心身リセットとは?-
ヨガトラベラー・土屋愛が世界から発信するウェルネスやスピリチュアル、そして人生のこと②
■リトリートは朝7時の瞑想から始まる
毎朝7時に1時間の瞑想で1日が始まります。瞑想には様々な方法とテクニックがあり、毎日講師によるインストラクションで無理なく瞑想に取り組めます。最初の数日は眠気を感じるかもしれませんが、慣れてくると徐々に深く内側に入っていく事ができます。瞑想後には美味しい朝食を頂きます。
9時半から12時半までは午前中のセッションがあります。タイマッサージの起源と歴史、五大元素、四無量心などの理論を学びます。日常生活で起こり得る物事を例えに、その理論を体感する為の実践的なプラクティスを行います。
例えば、ある午前中のセッションでのお話しです。五大元素理論(世の中の全ては空・風・火・水・地の要素で作られているという理論)で喧嘩という物事を見てみました。頑固で聞く耳を持っていない状態の相手は、まさに石のよう。つまり「地」の要素でいっぱいな状態です。その相手を烈火のごとく怒鳴ったり、疾風のごとく捲し立てたところで、石はうんともすんとも動きません。そんな石を動かす為には、どの要素が必要でしょうか。答えは「水」です。容器に合わせて変幻自在に形を変えられる水のように、相手を包み込んで流動的に運ぶ。これを頭の中だけで考えるのではなく、実際にペアーワークとして体を使って体感できるプラクティスを行いました。
12時半から15時までは昼食と休み時間です。毎日セッションが終わる頃にはお腹がペコペコになります。美味しい昼食を頂いた後には、読書をしたり、プールで泳いだり、仮眠を取ったり、思う気ままにのんびりとします。
15時から18時までは午後のセッションでタイマッサージを学びます。参加者の半分はタイマッサージ未経験者でした。私はヨガのインストラクターですからマッサージの経験すらありません。タイマッサージは、テクニックの学びから始めるのではなく、「相手の幸せ(健康)を願う」という心得から学びを始めます。その心得からマッサージを始めると、手のひらの感覚が変わるそうです。その感覚が相手をリラックス状態に変えていくのでしょう。これは日常生活や人間関係にも活かせられる心得だと思いました。
毎日太陽が沈んでいく所を見届けて、セッション後は夕食と自由時間になります。
リトリート中は、ハッと心開く瞬間がいくつも訪れます。新たな出会いや学びで得るワクワク感やリフレッシュ感に包まれていきます。それと同時に、「今言うのは簡単だけど実際できるのかな」とか「帰ったらまたいつも通りの生活しなきゃ」というように頭の中で感情のブランコが始まります。根本的に抱えていた悩みや自分自身と向き合う時がやってきます。夜の自由時間は、このブランコに思い切って乗ってみる良い時間です。どんなに大きく揺れていたとしてもです。
1日目は、ただブランコに乗っただけで終わるかもしれません。2日目は、その揺れに酔って具合が悪くなるかもしれません。でも、5日目には、あなた自身がブランコを操作しているはずです。実際に私は、ブランコの揺れ方にパターンを見つけ、少しずつ揺れ幅を狭くする方法を見つけました。
■仲間のプロセスを観察することで今までにはない気づきを感じることができる
リトリート中は、セッションの中にディスカッションの時間があります。円になって座り、今、自分はどういう感情でどんなプロセスと向き合っているのかをシェアします。これを5日間続けると、最初は「他の参加者」だったメンバーが、「仲間」に変わっていきます。みんな違うプロセスを通ります。泣く人もいるし、ため込んでいたフラストレーションが溢れる人もいます。そうやって仲間のプロセスも一緒に観察していくと、みんな感情表現の仕方は違うけれども根底は同じ所で繋がっている事がフッと理解できる瞬間がありました。リトリート中に、「泣く=弱い」や「怒る=短気」という決めつけをひとつひとつなくしていけたような気がします。「他の人にする決めつけを、自分自身にも当てはめて生活している」という気付きがあったからです。全てなくなったわけではないけれど、だんだん自分に課していた決めつけがなくなっていくと、頭の中がとても静かで平和になります。
私がリトリート中に感じた一番の心身リセットの時は、パーっと楽しんで現実逃避できた時ではなく、悩みを考え込んで解決策を見つけた時でもなく、単純に「自分自身と仲良くできた」時でした。たったそれだけ?と思うかもしれません。でも、私は逆に問いたい。他の誰かと仲良くする以前に、誰よりも自分自身と仲良くできていますか? イライラしたり、泣きたい時の自分と仲良く出来てますか? そこに、本当の意味での心身リセットを見つけました。
いかがでしたか?
リトリートは、世界中にあります。もし、この記事を読んで心の高鳴りを感じた方がいらっしゃったら、今まで行ってみたかった国でのリトリートを、試しに一度検索してみてはいかがでしょうか。どんな小さな行動でも良いと思います、まずは行動に起こしてみてはいかがでしょうか。
それでは、また近いうちにお会いしましょう。ナマステ!
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