蒲生氏郷のふるさと・日野③東西セットの商業神
季節と時節でつづる戦国おりおり第408回
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西之宮神社。町の中心の北にあります。商売の神・戎さまを祀ったと言われ、その歴史は日野下市から大永5年(1525)この地に遷座したということですから、もろに蒲生氏の時代です。
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そしてこちらは、町の東端を北に入った綿向神社の末社となっている蛭子神社。えびす、と読みます。無論、戎・恵比寿で、こちらも商売の神を祀ったものです。
江戸時代まではこれより東、日野城近く西大路にあったといいますから、こちらが東之宮として、日野の町の商業者を東西から守るという意味合いがあったのでしょう。ちなみに西之宮神社も綿向神社の末社です。
日野商人の故郷にふさわしい対の神社ですが、もちろん蒲生氏の保護あっての話で、氏郷がいかに商業に深い関心を持つ環境にあったかがこのことでよくわかるのです。