新型コロナ、情報革命、少子高齢化……大変化の時代に僕たちはどう生きるべきなのか【角田陽一郎】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

新型コロナ、情報革命、少子高齢化……大変化の時代に僕たちはどう生きるべきなのか【角田陽一郎】

 

 なぜ今のままでは会社の存続が危ぶまれるのかというと、会社という組織そのものがフレームだからです。

 フレームというのは表計算ソフトのエクセルのようなものです。データを入力すれば設定された関数によって瞬時に計算が行われ、それをもとに表が作成されます。一つの理論によって構築させた世界観です。会社ではこのエクセルのような機能を働く人にも求めてきました。つまり会社はフレームの代表選手です。

 オフィスという固定された施設が用意され、社員は決まった時間にその場所に集まり、決まった席が割り当てられ、決まった時間までそこで働いて、一日の仕事が終わると一斉に帰宅の途に向かうという画一的なスタイルはフレームそのものですよね。

 組織の全員が同一の規範にもとづいて動き、一体となって活動をしています。そこには部外者が入る余地はありませんし、また個々人の思いつきで組織の形が変わることもありません。

 しかしヴォルテックスの時代では、すべてが反転します。

 鳴門の渦潮を見ていると、発生した渦は刻々と直径の長さや回転の速さを変えています。常にその形を変化させているのが渦、つまりヴォルテックスです。

 それと同じように、これからの組織は内側から出ていく人もあれば、外側から入ってくる人もいて、枠で囲めなくなっていくようなイメージです。

 つまりヴォルテックス型の社会では決まった場所にオフィスはなくてもよいし、行く時間も決まっていなくていい。端末一つあれば情報は共有できますから、大ぜいの人間が一堂に会する必要もありません。つまり今の働き方を続けていることが効率を悪くするのです。

 例えば、テレビ番組などの映像物などを動画コンテンツと呼びます。

 それはテレビというフレームの中にある中身=コンテンツだからです。そのフレームがCDだったならば音楽がコンテンツであり、フレームが雑誌だったら記事がコンテンツなのです。

 でも今や、誰もが感じるように雑誌は廃刊が続き、CDは激減し、テレビもかつての勢いを失いつつあります。

 だからといって、ネット上では読み物が溢れていますし、音楽もSpotify 等のサブスクリプションで聴かれています。映像でいえば、テレビのオンエア時の視聴率自体が低下しても、それを見逃し配信やYouTube でスマホで楽しんでいますし、さらにいえば、AbemaTV 等のネット自体のオリジナルコンテンツはものすごく増えていますよね。

 つまり、僕らが見たり聞いたり読んだりしているモノは、もはやコンテンツではないのです。

 なぜならそれを格納するフレームがどんどんなくなっていっているからです。

 つまりフレームが技術の進化で次のフレームに移行したような従来の変化ではなく、フレーム自体の消滅を意味する根本的な概念の変化です。

KEYWORDS:

※カバー画像をクリックするとAmazonサイトへジャンプします

《9月7日(火)19時より、【オンライン配信(Zoom)】『仕事人生あんちょこ辞典』刊行記念! 角田陽一郎と加藤昌治の「お悩み"あんちょこ"相談会」》

※申込はこちら→

https://store.tsite.jp/daikanyama/event/humanities/21876-1006440822.html

『私たちの人生には、もうちょっと多くの選択肢があるんじゃないか?』ーーー加藤昌治

『人生の素晴らしさって結局のところ、何にであうか?誰と出会うか?なんだって想うわけです!』ーーー角田陽一郎

仕事人生においてちょっとした不安に陥った時、なかなか悩みから解放されないときに、良き兄貴分のように、また親友のように角田と加藤が自らのエピソードを交えつつアドバイスするトークイベントです。

※あなたの<仕事人生>お悩み大募集!角田と加藤がイベント中に回答します。
お悩みのご応募はこちらから↓
https://anchokojiten.themedia.jp/posts/19865994

【参加条件】
イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にて、いずれかの対象商品をご購入いただいたお客様がご参加いただけます。

【対象商品】
・【オンライン】イベント参加券 1,650円(税込)
・書籍『仕事人生あんちょこ辞典 』(ベストセラーズ・2,970円/税込)+イベント参加券(550円/税込)+送料(500円/税込) セット 4,020円(税込)
・書籍『考具』(CCCメディアハウス・1,650円/税込)+イベント参加券(550円/税込)+送料(500円/税込) セット 2,700円(税込)
・書籍『仕事人生あんちょこ辞典』(ベストセラーズ・2,970円/税込)+ 書籍『考具』(CCCメディアハウス・1,650円/税込)+イベント参加券(550円/税込)+送料(500円/税込) セット 5,670円(税込)
※『仕事人生あんちょこ辞典』は2021年9月2日(木)に入荷予定です。入荷後に配送いたします。
※Peatixで取得したお客様の個人情報は、本イベントへお申し込み頂いた方への商品発送にのみ使用し、それ以外での使用は行いません。個人情報のお取り扱いについてご同意の上、お申込み下さい。

※申込はこちら→

https://store.tsite.jp/daikanyama/event/humanities/21876-1006440822.html

※POPをクリックすると、9月7日の代官山蔦屋書店のイベントサイトにジャンプします

オススメ記事

角田陽一郎

かくた よういちろう

バラエティプロデューサー

角田 陽一郎(かくた・よういちろう)

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 

千葉県出身。千葉県立千葉髙等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。好きな作家は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、司馬遼太郎。好きな画家は、サルバドール・ダリ。

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

仕事人生あんちょこ辞典: 50歳の誤算で見えた「ブレイクスルーの裏技45」
仕事人生あんちょこ辞典: 50歳の誤算で見えた「ブレイクスルーの裏技45」
  • 角田 陽一郎
  • 2021.09.02