ジャニーズ明暗、おもてなし婚、氷川のフェミ化~2019芸能総括【ニュース編】
2019年もあとわずか…芸能界の出来事をランキング形式で振り返る
そして、いよいよベスト3。おくやみの話題が、3位だ。
3位 骨になった昭和の証人たち
今年亡くなった有名人のうち、その大半は昭和に絶頂を迎えた人だった。内田裕也と萩原健一、モンキーパンチと小池一夫、八千草薫と梅宮辰夫が相次いで他界するなど、平成から令和へという節目の年に、その前の時代の雰囲気を伝える存在になっていた人たちが続々と旅立ったのである。
なかでも、個人的にしみじみしたのは、金田正一と松本ちえこの死だ。松本がヌードになったとき、金田が週刊誌に連載していたスケベな対談に登場、こんなやりとりをしていたのを拙著「アイドルが脱いだ理由」に使ったのを思い出したからだ。
「ワシが想像するに、ちえこチャンは土手が高いね(笑い)」「確かめたことないから」「いま触ってごらん」「嫌だァ(といいながらモゾモゾ)」
そんな生々しい猥談を楽しんでいたふたりも、それぞれ生きる武器にしていた肉体を失い、ただの骨になった。骨拾いのつもりで、会話を再録した次第だ。
2位 令和の結婚ラッシュ
続いて、2位はおめでたいネタ。元号が替わったあたりから、結婚ラッシュともいうべき状況が始まった。山里亮太と蒼井優、速見もこみちと平山あや、菊池桃子と官僚、イモトと「イッテQ」ディレクター、壇蜜と漫画家、ひょっこりはんと一般女性……。なかでも、現代を象徴していたのが、小泉進次郎と滝川クリステルの「おもてなし」婚だ。
滝川は入籍時点で妊娠しており、年明けに出産予定。それ自体はおめでたいこととはいえ、42歳での初産となる。医学が進んだ現代にあっても、リスクをともなう高齢出産だ。また、少子化問題を考えるうえで、これははたして「セクシー」なことなのか、小泉大臣の意見をぜひ聞いてみたいところではある。
そうはいっても、ひとりも産まないよりはいいし、これ以上とやかく言うのも野暮だ。そんなわけで、1位の発表といこう。
1位 嵐とジャニーズ、終わりの始まり
結局、ジャニーズかよ、という声も聞こえてきそうだが、今年はやはり、選ばずにいられない。何がすごいって、おめでたとおくやみがごっちゃになって、この一大帝国の「終わりの始まり」が進行しつつあるのではという、そんな印象をかもしだしたことだ。
嵐の活動休止宣言と二宮和也の結婚、ジャニー喜多川の死と滝沢秀明引退にともなう新体制への移行。2020年を最後に、嵐の本格的再始動はもうないかもしれないし、カリスマ創業者を失った事務所がこれまで通りでいられるとも考えにくい。そろそろ、大激震が起きるのではないか。
幸い、日本人の多くはこの帝国について、かなりの知識と感情を持っている。大激震が起きれば、また世間も盛り上がるから、来年以降も重大ニュースのトップになる有力候補だろう。
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『痩せ姫 生きづらさの果てに』
エフ=宝泉薫 (著)
女性が「細さ」にこだわる本当の理由とは?
人類の進化のスピードより、ずっと速く進んでしまう時代に命がけで追いすがる「未来のイヴ」たちの記憶
————中野信子(脳科学者・医学博士)推薦
瘦せることがすべて、そんな生き方もあっていい。居場所なき少数派のためのサンクチュアリがここにある。
健康至上主義的現代の奇書にして、食と性が大混乱をきたした新たな時代のバイブル。
摂食障害。この病気はときに「緩慢なる自殺」だともいわれます。それはたしかに、ひとつの傾向を言い当てているでしょう。食事を制限したり、排出したりして、どんどん瘦せていく、あるいは、瘦せすぎで居続けようとする場合はもとより、たとえ瘦せていなくても、嘔吐や下剤への依存がひどい場合などは、自ら死に近づこうとしているように見えてもおかしくはありません。しかし、こんな見方もできます。
瘦せ姫は「死なない」ために、病んでいるのではないかと。今すぐにでも死んでしまいたいほど、つらい状況のなかで、なんとか生き延びるために「瘦せること」を選んでいる、というところもあると思うのです。
(「まえがき」より)