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「不登校児」や「引きこもり」は、回避型人類の先駆けである

ベストセラー『馬鹿ブス貧乏』本の著者・藤森かよこが斬る事件の真相

愛着障害は病気の元?

 さらに、愛着障害は、「死にいたる病」だと岡田は指摘する。「愛着障害」の子どものまま大人になると、身体的不調もかかえやすい。肉体の病気であれ、精神疾患であれ、愛着障害は病気の真の原因であることが多い。心は誤魔化せても身体は正直なのだ。

 宝泉薫『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ、2018)が指摘するように、若い女性の摂食障害は母親の無自覚な娘支配への抵抗であり、これも愛着障害の一例なのだ。

 岡田によると、成人人口の三分の一くらいは愛着障害者だ。岡田が監修者で漫画が松本美耳子の『マンガでわかる愛着障害 自分を知り、幸せになるためのレッスン』(光文社、2019)に、そう書いてある。

 

愛着障害の中でも回避型はサバイバルに有利

 しかし、同じ愛着障害の中でも回避型は生き残るのに有利かもしれない。なんとなれば、他人とお仲間ごっこしているよりも、ひとりで情報をあさっていることが得意な人間のほうが、現代と未来のようなAI時代に適応できるからだ。パソコンやスマートフォンなど、親密な人間関係を回避するタイプの人間に好都合で便利な装置があふれているのが現代だ。

 時代はもう後戻りできない。子どもが愛着障害にならないように女性に専業主婦となり、夫の収入だけで慎ましく暮らし、子どもを自分の手で養育せよと言っても無駄だ。子どもの顔ではなくスマートフォンの画面を見ている母親を責めてもしかたない。言葉の通じない乳幼児相手に24時間奉仕するワンオペ育児を、自由と気楽さに慣れた現代女性が心底から楽しめるはずがない。

 ひょっとしたら、不登校児や引きこもりは、今後どんどん増加するに違いない回避型人類の先駆であるかもしれない。愛着障害者は人口の三分の一を占める。子どもであれ大人であれ、愛に飢えて心寂しい人間は残酷だ。そんな類の同級生や同僚に関わるのは時間とエネルギーの無駄だ。

 他人とのコミュニケーションに期待せずに、情報収集と分析の技術を先鋭化させる勉強をして、経済的自立の道を模索したほうがいい。そのうちに、つかず離れずのストレスのない人間関係を結べる仲間に遭遇できるかもしれない。

 大いなる母性への憧れは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌の『魂のルフラン』(1997/及川眠子(作詞)/大森俊之(作曲))で満たせばいい。「私に還りなさい/記憶をたどり/優しさと夢の水源(みなもと)へ/もいちど星にひかれ生まれるために/魂のルフラン」とカラオケで歌ってください。

※『魂のルフラン』歌詞部分(『ネコの手も貸したい 及川眠子流作詞術』(リットーミュージック)第5章より引用)

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馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。
著者/藤森かよこ

 

死ぬ瞬間に、あなたが自分の人生を
肯定できるかどうかが問題だ!

学校では絶対に教えてくれなかった!
元祖リバータリアンである
アイン・ランド研究の第一人者が放つ
本音の「女のサバイバル術」

ジェーン・スーさんが警告コメント!!

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これは警告文です。本作はハイコンテクストで、読み手には相当のリテラシーが求められます。自信のない方は、ここで回れ右を。「馬鹿」は197回、「ブス」は154回、「貧乏」は129回出てきます。打たれ弱い人も回れ右。書かれているのは絶対の真実ではなく、著者の信条です。区別がつかない人も回れ右。世界がどう見えたら頑張れるかを、藤森さんがとことん考えた末の、愛にあふれたサバイバル術。自己憐憫に唾棄したい人向け。  
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あなたは「彼ら」に関係なく幸福でいることだ。権力も地位もカネも何もないのに、幸福でいるってことだ。平気で堂々と、幸福でいるってことだ。世界を、人々を、社会を、「彼ら」を無駄に無意味に恐れず、憎まず、そんなのどーでもいいと思うような晴れ晴れとした人生を生きることだ。「彼ら」が繰り出す現象を眺めつつ、その現象の奥にある真実について考えつつ、その現象に浸食されない自分を創り生き切ることだ。
中年になったあなたは、それぐらいの責任感を社会に持とう。もう、大人なんだから。 社会があれしてくれない、これしてくれない、他人が自分の都合よく動かないとギャア ギャア騒ぐのは、いくら馬鹿なあなたでも三七歳までだ。(本文中より抜粋)

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藤森 かよこ

ふじもり かよこ

1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課 程満期退学。福山市立大学名誉教授で元桃山学院大学教授。元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)である、アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者。アイン・ランドの大ベストセラー『水源』、『利己主義という気概』を翻訳刊行した。物事や現象の本質、または人間性の本質を鋭く突き、「孤独な人間がそれでも生きていくこと」への愛にあふれた直言が人気を呼んでいる。  

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  • 藤森 かよこ
  • 2019.11.27