レモンは冬が旬!血圧、骨密度にも効果アリ!
今が食べごろ!レモンを食して健康寿命を伸ばそう!
■レモン生産量日本一の島民の健康寿命は全国平均を7歳上回る!
レモンサワーやレモンケーキなど、主役から脇役までその用途は幅広いレモン。国産レモンは11月から収穫が始まるため、冬の今が旬だということをご存じだろうか。
日本のレモンの収穫・出荷量はこの20年で収穫量は約4倍、出荷量は3倍以上に増えているとのこと。レモン関連商品の販売を手がけるポッカサッポロフード&ビバレッジマーケティング本部の有馬忠宏さんによると、日本最大産地の広島が2007年頃から収穫量を増やしたことや、2013年のひろしま菓子博でレモンを使ったお菓子が多く紹介されたことがきっかけとなり生産量は急上昇。さらに瀬戸内産のレモンが皮まで安心して使えることにも注目が集まったことでその活用法はますます広がってきているという。最近はレモンの需要に供給が追いつかない状態だそう。
このレモン、健康に対する効果も大きく、いまも研究が進んでいる。県立広島大学 保健福祉学部 理学療法学科教授の飯田先生が、レモン生産量日本一を誇る広島県の離島、大崎上島の住民90名を対象に健康調査を行ったところ、驚くべき結果が表れたという。
島民のレモン平均摂取量は約5日に1個、これはなんと全国平均の年間5個に対して15倍にも相当する。そのデータを裏付けるように大崎上島町でレモン農家を営む岩崎さんによると、大崎上島町ではレモン果汁を醤油さしに入れて常備しているだけでなく、お湯やお水、牛乳などに入れて飲んだり、皮ごと使った家庭料理が多いのはもちろん、レモンを丸ごと食べる習慣もあるそうだ。
そしてこの地域の住民の健康寿命は全国平均よりも7歳も高い平均80歳! 性別で見ると男性は76.4歳と4歳高く、女性にいたっては83.7歳と約9歳も上回る結果に。さらに骨密度も島民の方が高いという。
これは、レモンに含まれるクエン酸が持つキレート作用が関係しているという。キレート作用とはカルシウムをはじめミネラルを腸から吸収しやすい形に変えること。普段から多くのレモンを摂取する島民の人々は自然とカルシウムが体内に吸収されやすくなっているので、それが骨密度の高さに繋がっていると考えられているようだ。
さらに、レモンを定期的に摂取している人のほうが最高血圧が低く抑えられているということも判明。
「血圧を下げる理由は皮に含まれるレモンポリフェノールと果汁に含まれるレモンフラボノイドが関係しています。高血圧自然発症ラットを用いた研究でも、レモン果汁とレモンフラボノイド類が血圧に影響を及ぼす可能性が示唆されています」と飯田先生は語る。
また、渡辺尚彦先生の減塩外来(聖光ヶ丘病院 千葉県 柏市)では血圧を下げるためにレモン果汁を食事に取り入れることも指導しているそうだ。
「酸味には、塩味を引き立てる効果があるため、少ない塩分でもしっかりと味を感じることができ、減塩につなげることができます」とのこと。
風邪予防にも有効なビタミンCを含むだけでなく、骨密度、血圧にも大きな影響を与える有能な食材であるレモン。いまでは年間を通してスーパーで手に入れることができるが、一年で最も旬となるこの冬の時季にこそ積極的に食卓へ取り込んでみてはいかがだろうか。