切ない・・・特養老人ホーム入所2週間で認知症の父「家へ帰りたい!!」と叫ぶ【実録:母と娘の「介護日記」】
母と子はこうしてだんだん疲弊する②
●まあちゃん早くも「家に帰りたい!」と言う
ネーヤと地獄と、10時に入る。
まあちゃんは昨日と同じ服。布団がオシッコで濡れていた。
食堂で開口一番「家に帰りたい」とつぶやくまあちゃん。
笑ってごまかす私。
外に連れ出して、スイートポテトとチーズケーキを口におしこむネーヤ。
食べ方は相変わらず汚い。口の周りにも手にもつけながら、足元にもボロボロとこぼしまくる。
日を浴びるまあちゃん。
「この桜の木に鳥が来てるんだよ」と2回言う。
食堂から庭を眺めていたのだとわかる。ダジャレにもキレがない。
その後、地獄のトレーニング。ネーヤはすぐに座らせようとする。できるだけ立って歩かせないと、寝たきりになっちゃう。
とにかく動かすことだ。
足のむくみはひどいし、立ち上がりのときに膝がガクブルして、生まれたての子羊みたいになる。いや子羊のほうが立派だな。歩き始めれば、ガクブルは治まる。初動だけが不安定で、後は大丈夫だから、どんどん動かさないと。ネーヤの過保護が問題だ。ネーヤの寂しがりも問題に。まめに電話して、しゃべらせるようにしよう。
2018年4月12日(木)【ネーヤ・記】
到着するなり、夫は「ここはいつ出られるんだ?」「こんなところにいられないよ」「何もすることないし、家へ帰りたい」と言う。
女性の機能訓練士さんが来て、これからは本格的な訓練が始まる。実際に始まると実にいきいきして。あんな顔は久しぶり。嬉しそう!
午後は外へ。
私が乗った車椅子を夫に押してもらう。じっくり新聞を読んだ後、『東京新聞』のカメラマンの写真について話す。排便後、ウォシュレットを久々に使って大満足の様子。
【追記】 機能訓練指導員は週5日いるらしい。ただし、まあちゃんのいるユニット専門ではない。多床室も含めて100人の大所帯で、順番に行うから、毎日ではないだろうと思う。それでも、やっとレクリエレーションやリハビリが始まるので、ひと安心だ。新しい施設は、なかなか体制が整わないという点がデメリットではある。 ネーヤが乗った車椅子をまあちゃんが押すと聞いて、ちょっと危ないかなと思ったが、案外いい運動になるかも。過保護はよろしくない、と思い直す。
(『親の介護をしないとダメですか?』より構成)
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