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イチローが教える「スランプ脱出」への心身維持法

ストレスがかかる辛い状況を楽しもう

年間262安打の大リーグ新記録、10年連続200安打達成…。イチローの偉大なキャリアは、日々、自分なりの「最善」を尽くすという強い信念で支えられていた。数々の言葉から、人生を切り開くヒントを読み解く。(児玉光雄 著『イチロー流「最善主義」で夢を叶える』より)

■「僕は風邪にも弱い、憂鬱にもなる……。不調の時は『仕事なんだ』、『責任がある』と奮い立たせるんです」

(2005年の年頭、心身の管理について語った言葉)

 現役時代のイチローは、苦しいことや困難なことをやり甲斐にして進化していった。たとえ、どんなピンチに陥っても、「これは神が自分に課した試練。これを乗り越えることこそ本望である」と考えたから、偉大なメジャーリーガーの仲間入りができた。

 苦境に陥って、ただ挫折するだけでは何も前に進まない。イチローのように自分を奮い立たせて、その困難と格闘することを快感にしよう。繰り返し修羅場をくぐるという経験を積み重ねれば、修羅場は修羅場でなくなる。逆境耐性を高めるには、逆境と格闘する数を単純に増やすしかない

 プロの仕事場には、さまざまなプレッシャーが渦巻いている。期限以内に完了させなければならない大量の仕事、自分の能力では解決できそうもない困難な業務。そんな環境の中でプレッシャーを取り除くことなんか不可能であると、考えてみよう。

 イチローのような一流の人間は、プレッシャーを抱えながら困難な問題点をいとも簡単に解決してしまう。実際、スポーツ心理学では、プレッシャーがかかったときほど私たちは馬鹿力が発揮できるという事実が多くの実験で証明されている。

 仕事の現場からプレッシャーを取り除くことは不可能である限り、そのプレッシャーを抱えながらベストを尽くす。それがあなたに新しい才能を授けてくれる。

KEYWORDS:

イチロー流「最善主義」で夢を叶える

児玉 光雄

他人との比較ではなく、常に自分が定めた目標を基準として、偉大な記録を残してきたイチロー選手。「完璧主義」ではなく、あくまで自己ベストに徹底したその「最善主義」を、引退までの100の言葉から紐解く。巻末付録として、2019年3月21日に行われた引退会見全文も収録。スポーツ心理学のエキスパートである著者による、イチロー本の決定版。

児玉 光雄

こだま みつお

1947年兵庫県生まれ。追手門学院大学特別顧問、元・鹿屋体育大学教授、京都大学工学部卒業。学生時代、テニスプレーヤーとして活躍し、全日本選手権にも出場。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院にも学び工学修士号を取得。米国オリンピック委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員としてオリンピック選手のデータ分析に従事。過去20年以上にわたり臨床スポーツ心理学者としてプロスポーツ選手のメンタルカウンセラーを務める。

また、日本でも数少ないプロスポーツ選手・スポーツ指導者のコメント心理分析のエキスパートとして知られている。主な著書はベストセラーになった『イチロー思考』(東邦出版)をはじめ、『タイガーウッズに学ぶ人生を逆転できる人 できない人』(山と渓谷社)など、200冊以上にのぼる。日本スポーツ心理学会会員、日本体育学会会員。

[ホームページアドレス]

http://www.m-kodama.com


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