トライアウト、合流!! 沈黙のバス
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記<4>
飛行機に乗ったとたん、不安が込み上げてきた <全4ページ>
飛行機のなかで込み上げてきた感情
さて前回まではトライアウトを受けようと決めるまでの僕自身の気持ちや、コンビのことなどを書いてきたので、今回は実際のトライアウトについて書いてみたい。
もう4カ月も前になる。11月4日、僕は羽田空港を飛び立ち、四国アイランドリーグのトライアウトが行われる香川県高松市へと向かっていた。
1週間分の荷物をまとめるとけっこうな量になる。大きなリュックを背負い、両手にも鞄やら袋やらを持って、僕の夢への挑戦は始まった。
ちなみに今回僕が参加することに決めたトライアウトはほかの独立リーグのトライアウトとやり方がずいぶん違う。四国アイランドリーグをふくめほかの独立リーグが、体力測定を中心としたテストを1日で行い、その合格者が実践的テストを行う2次に進む(これも1日)、という方法を取っているのに対し、四国アイランドリーグはそれとは別に、「トライアウトリーグ」と称して、1週間トライアウトを受ける選手が一緒に過ごし、毎日試合をするという実戦形式の試験を行なっているのだ。
話を戻して機上の僕。飛行機に乗るまではわくわくした気持ちしかなかったのに、いざ飛行機でひとりぼっちになると、不安が押し寄せてきた。
どんな人がいるんだろう。
受けにくる人の年齢はどのくらいだろう。
39歳、大丈夫か、オレ。
外国人選手もいるって聞いたぞ……。
ふだん外国人選手のモノマネをさせてもらっているのに、そんな選手がいたらどうしようだなんて、おかしな話だけど、このときは本当に不安がどんどんと膨らんでいった。