上原浩治に聞く Q.26 30代にやっておけばよかったと思うことはありますか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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上原浩治に聞く Q.26 30代にやっておけばよかったと思うことはありますか?

今年41歳を迎える上原投手、振り返って30代に思うことは?

データではなく直感を重視する理由

――直感ですか。

僕の場合は、あまりバッターのデータとかを重視しないんですね。まったく見ないわけではないですよ。ただそれに頼りきってマウンドに上がることはしないということです。

それはバッターがデータどおりに行動をするわけじゃないですから。調子がいいときは積極的になって、調子が悪いときは消極的になったりする。だからデータ上のバッターと実際に打席に入っているバッターとでは、まったく違うタイプのバッターになっていることだってあるわけです。

そういうとき、僕が信じるのはマウンドとバッターの間にある雰囲気というか、直感なんです。たくさん投げてきたからできることなのかもしれませんが、直感は大事にしたいと思っています。

――なるほど。そういう直感というのは磨けるものなのでしょうか?

うーん、ふつうに答えてしまうと経験ということになってしまいますよね。

ただ、この30代にやっておけばよかった、という質問に関して言えば、「やっておけばよかった」という気持ちにならないように、いまを大事にすることのほうが大切だと思います。

――ただ、私を含めビジネスマンにはもうすでに「やっておけばよかった」となっている人もいるかと……

はははは。

でも経験にまさるものはないです。例えば、僕はワールドシリーズを経験させてもらって、胴上げ投手にもなることができた。だからそのことについては話ができる。でも、田中(将大)やダルビッシュ(有)は、とてもいい投手だし理論も持っているだろうけど、ワールドシリーズについては語れないですよね。経験しているからこそ、語れることがあるというのは事実なわけです。

じゃあ、どうやって経験をするのか。何事もやる、挑戦してみる。やらずに後悔するくらいであれば、やって後悔したほうがいいというのは僕がつねに、絶対に大事なこととして思っていることです。やらないで「あのとき、ああしていればよかった。こうしていればよかった」と思うことだけはしたくない。

だから、いまからでも遅くないですよね。挑戦して、経験を積むこと。これがいまだからこそ、語れることかな。


明日の第二十七回の質問は「Q.27 夢をあきらめたあとにある生き方とは?」です!


 

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上原 浩治

うえはら こうじ

1975年4月3日生まれ。東海大仰星高校時代は、外野手兼控え投手。1年の浪人後、大阪体育大学に入学し、当時敵なしといわれたキューバ打線を封じ込めるなど投手として注目を集める。1998年にドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目から20勝4敗の好成績を残し、新人王と沢村賞をはじめ最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率などタイトルを総なめにする。以降、怪我などもありながらジャイアンツのエースとして活躍。2009年に海外FA権を行使しボルチモア・オリオールズに入団。さまざまなポジションを渡り歩きながら着実に実績を重ね、2013年にはテキサス・レンジャーズからボストン・レッドソックスに移籍。シーズン途中からクローザーとなり、リーグチャンピオンシリーズMVPを獲得するなどワールドシリーズチャンピオンに貢献した。現在もボストン・レッドソックスに欠かせない投手として活躍する。



オフィシャルウェブサイト:http://koji-uehara.net/



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