ヘラヘラした笑顔の男の共通点とは…!?
~人気女性ライターが感知した“あかん男”たち~
クズではないけど、第六感の危険信号を刺激してくる男たち
(『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』より引用)
例えば借金がある、DV癖がある、浮気をする、実は前科があるなどの訳あり物件の男性を『クズ男』と総称するとしよう。でも中には表面的に分かりづらいけれど、そのクズに到達していないけれど、人間としての危険性をはらんでいる男がいる。その本性がほんのちょっとした言動や風貌で「(……この男、なんかおかしくないか?)」と、第六感を刺激してくる男を何人か見てきた。
そういった男を総称して個人的に『あかん男』と呼んでいる。中でも、その言動が分かりやすかった数名のエピソードをランダムに紹介していきたい。
未然に男性災害を防ぐための、防御策をどうぞ。
“あかん男”たち⑤
【笑顔の押し売り男】
▼秒で世間から逃げる▼
昔から『笑う門には福来たる』と言われる。確かに笑顔は好印象度が2倍増しくらいになるし、口角もキュッと上がるので、若く見られる利点もある。でも終始、笑顔が止まらないのは逆に不可思議な印象を残す。それだけではなく、他人には相談できない秘密を抱えていそうな気がしてならない。
笑顔の押し売りに不信感を抱いたのは、ほとんど接客業の人ばかりだ。愛想の良さを求められることの多い職業だからこそ、おかしな態度をしていると目立つのかもしれない。まずは石原軍団のような風貌をした、焼き鳥店の男性店員。要はそこそこの色男なのだけど、
「久乃ちゃん、今日もいらっしゃいませ!」
そう言う時の、何か企んだような笑顔が引っかかっていた。でも、いつも私に対しては信じられないくらいの好待遇だったので、特に文句はない。むしろ感謝をしなければと思うほど、優しかった。でも
「ボク、久乃ちゃんのためなら何でも作っちゃいますよ!」
もうやめてくれというほどの、したり笑顔で、リップサービスは止まらなかった。きっと他の客にもしていること。でも何故、胡散臭さが漂ってくるのか。
それから数年が経過して、店にも街にも彼が慣れ親しんでいた頃。客の間で
「あの店、最近値段が高くないか?」
そんな噂が立つようになった。会計時は合計金額を見せられるだけだし、酔っているので財布の紐も緩くなっている自覚はある。でも言われてみれば、やけに高い。
その真実は店員の男性が握っていた。常連客の会計から数千円〜数万円を割り増しで請求して、そのプラスアルファをすべて自分の懐に入れていたことが発覚。毎月多ければ数十万円近くが、税金のかからない彼の収入源になっていたのだ。社長には正規の売り上げ金額のみが報告されるので、不備はない。したり笑顔の行方はここにあったのか。
そのことが明るみになった後、彼は店を去った。そして街からも出ていくと思いきや、ほんの3駅先で焼き鳥屋を開店したと聞いて、その神経の図太さに驚かされた。
むしろこういう男は、狂気さえも秘めているのかもしれない。きっと開業資金はくすねた金。そして私が彼から嗅ぎつけていた胡散臭さは、悪臭だったに違いない。
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