バスチー、悪魔のおにぎり、コンビニで新商品が続々。ナゼ?
コンビニを見るときっと気づく、日本の経済と働く皆さんが元気になる兆しがある
■コンビニは売れ筋商品を生み出せる
2019年のコンビニの大ヒット商品は「悪魔のおにぎり」と「バスチー」で、 どちらもローソンの商品です。 「悪魔のおにぎり」は、白だしで炊いたごはんに、天かす・天つゆ・青のりなどを混ぜ合わせたおにぎりです。2018年10月に発売されると、約11ヵ月でシリーズ 累計販売数は5600万個を突破しました。一方、「バスチー」は表面をこんがりと焼いたバスク風チーズケーキです。2019年3月26日に発売されると、わずか 3日間で販売数100万個を突破( 11月22日時点で累計販売数3000万個)。コンビニスイーツの先駆け的存在となった同社の「プレミアムロールケーキ」が発売5日間で100万個でしたから、当時のブームを超える反響と言えます。
両商品に共通しているのは、どちらも「流行っているものをいち早くコンビニで商品化した」という点です。「悪魔のおにぎり」は、南極地域観測隊が夜食として食べていたおにぎりから着想を得ました。観測隊のおにぎりがテレビで紹介されると、SNSで話題になり、これをローソンがアレンジして商品化したものです。また「バスチー」も、2018年夏頃からバスク風チーズケーキが専門店を中心に人気が出始めていたため、これを食べやすいコンビニサイズとして開発・商品化したものです。
流行に敏感で「どちらもローソンが商品化する前から知っていた」という人からすれば、どこかズルいような印象を受けるかもしれません。しかし「南極地域観測隊のおにぎり」も「バスク風チーズケーキ」も、ローソンのヒットを経て大きく知名度を上げました。これは、紛れもない事実です。 つまり、何が言いたいのかというと、コンビニは流行っているものを〝一気にマスマーケット化(マス化)〟するのが、ものすごく得意だということです。そして また、マス化することがコンビニの役割とも言えるのです。
一方、ネット通販はロングテールは得意ですが、マス化は苦手です。このため、商品開発という点では、ネット通販からはプライベートブランド(PB)のヒット商品は生まれにくい傾向にあります。AmazonがPBのポテトチップスを開発したとしても、セブン-イレブンのPBのポテトチップスには敵いません。なぜなら、目に触れる機会に大きな差があるからです。 セブン-イレブンでPBのポテトチップスを全国約2万1000店舗で販売すると、 毎日1店舗あたり1000人前後のお客様の目に触れるチャンスがあり、全国では 2100万人以上にリーチできます。ところが、ネット通販では自分で調べて自分が好きなものは買えますが、意図しない他ジャンルの商品には触れにくい性質がありますよね。このため、ネットショッピング商品をマス化するのは非常に難しいのです。
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【渡辺広明氏 出演情報】
2/1(土曜)発売 雑誌『広報会議』書評ページにインタビュー掲載
2/8(土曜)テレビ朝日『サタデーステーション』20:54〜
2/12(水曜)BS日テレ『深層NEWS』22:00〜
2/15(土曜)発売 雑誌『DIME』
2/20(木曜) フジテレビ『Live News α』 23:40~
2/21(木曜) 静岡朝日テレビ『とびっきり!しずおか』16:45〜17:53
『コンビニが日本から消えたなら』
渡辺広明 (著)
少子高齢化デフレ、AIデフレという新地獄に負けない経済戦略が実はコンビニで行なわれている! 日本一のコンビニ流通アナリスト渡辺広明氏が誰にとっても身近であるコンビニの最新施策を分析し、小売業の未来図を説く。今話題のコンビニ問題と社会問題に関する解決策を提案。ここまで真相に迫りって述べた作品は今までない!すべての業界で働くビジネスマンにも通じる「いい仕事」をするために何を考え何をすべきかを説くビジネスの教科書となる1冊です。
全国一律、「24時間開いててよかった」をキャッチフレーズとし年中無休の利便性を打ち出していたコンビニが、キャッチフレーズを「近くて便利」に変更し、上質な品揃えと接客で「お客様から常に頼りにされる店」へと変化しています。それがめまぐるしく変化を遂げるコンビニのレイアウトや新商品展開、AI IoTの導入、セルフレジの導入、健康・医療サービス、高齢者へのサービス、エコな商品の開発などに見て取れます。
1.こういった日本社会が抱える課題点とコンビニの変化には密接なつながりがあり、その問題を解決する施策こそ、従事する「人」が描くべき経済戦略であり、5万8699店舗という小売業界世界No, 1を誇るコンビニが取り組む施策だからこそ、必ずや世の中の常識となっていきます。この経済戦略、働き方の新方程式への気づきを読者が得られます。
2.著者渡辺さんが、今までTVでは表現し切れていない、とっておきのリアルなコンビニ店長時代の体験エピソードを放出して頂きます。これは読み手にとって青春時代のコンビニを思い出す原風景であり、コンビニはそこまでするのか…と驚きの内容となっています。いい仕事を目指す人にとって、感動し涙すること間違いなしです。
この2点が本書の最大のおすすめポイントです。