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蒲生氏郷のふるさと・日野⑨御代参街道を経て

季節と時節でつづる戦国おりおり第414回

 日野町の蒲生氏郷さん史跡をめぐって来ました。目的地はクリアできたので、ここで足を伸ばして南東の方へ移動してみましょう。

 

 この写真は、日野の町へとつながる御代参街道の説明板です。お伊勢さんから鎌掛を経、日野を通って多賀大社へとつながる道で、戦国時代は「市道」とも呼ばれた流通バイパスだったことは以前にも説明しました。

 ということでお分かりいただけるように、筆者が日野から向かっている先は鎌掛です。県道182号線で山際に向かい正法寺さんに突き当たるあたりでは道に野猿が出てきてたむろしている光景に驚きますが、くじけず山間に入ります。すると、道の横を少し上がったところにこんな道しるべが。

 

 この「山屋敷跡」が最終目的地。鎌掛城の山屋敷です。名前の通り、さらに山を東へ分け入った高所にあった鎌掛城の麓の居館だったと思われる(つまり、鎌掛城はこの山屋敷の詰の城)遺構です。

 沢の向こうに、それは見えました。

 

 

 一帯が、山屋敷跡です。一列の石列は、屋敷の石積みの跡でしょうか? ともかく、合流する沢を天然の水堀にして三方を固め、背後は鎌掛城で守られた堅固な要害で、市道にもすぐ繰り出せます。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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