コロナショックで思い出した!? 倒産を経験した不動産プロフェッショナルたちの座談会
―リーマンショックのときは新入社員全員リストラされたってよ―
話題の不動産プロ集団“全宅ツイ”による不動産コラム⑫
【登場人物】
カウぴー……過激系ワンルーム屋出身の性豪ブローカー。https://twitter.com/pakopakoazarash
しらいし……トライアスロンと銭湯が生きがいの地上げ屋。
https://twitter.com/yh_shiraishi
かずお君……リーマンショックで死にかけたゾンビ系有活屋。
https://twitter.com/kazuo57
2019年の10月に[全宅ツイ]が著した『実況! 会社つぶれる! !』(KKベストセラーズ)に冒頭にこんなことが書いてあった…。
売上が伸びない、資金繰りが厳しい、従業員が確保できない……。いろいろな理由で会社はつぶれていきます。創業したものの、何ひとつパッとした成果を残せずつぶれていく会社もたくさんあるでしょう。反面、時流に乗り、うまく行った会社もたくさんあります。
〜(中略)〜
うまく歯車が回っているときはなんの問題もありません。でも、その歯車が噛み合わなくなったとき、大変なことになるんです。
〜(中略)〜
もしあなたが勤めている会社がこのような状況になっていたら、少しだけ転職の準備を進めておいたほうがいいかもしれません。派手に暴れた会社ほどつぶれるときは一瞬ですから。
会社がつぶれる……。コロナウイルスの感染拡大で日本の経済に大ダメージが予測される中[会社がつぶれること]は他人事ではなくなっている。
本書にあるように、会社というのは【歯車が噛み合わなくなったとき、大変なことになる】。まさに今の日本、いや世界経済の状況ならば、【つぶれるときは一瞬】という事態をリアルに体験してしまいかねないのである。
そんな状況のあるお昼時、「全宅ツイ」のメンバーであり、過去に倒産を経験したという3人が集結し、語り出した……。
■さっき飲んだ胃薬が効かないんですけど…
【3/13 昼休み】
カウぴー:こんにちはー。あれ、なんで二人ともスマホの画面見つめてるの…?
しらいし:株価眺めてました、つらい。眺めてるだけで減っていきます
かずお君:俺も。なんなのこれ
カウぴー:さっき外資の偉い人に連絡したらそっちに夢中で…って言われました
かずお君:俺この1ヶ月で株半分になりました。すごいつらい
しらいし:僕も同じく半分になりました、つらい。この暴落の前の週に2銘柄買ったら即半分です
カウぴー:私、ビットコインで遊んでたら3枚に増えました…
しらいし:センスあるとしか思えない
かずお君:いいなー、焼き肉ご馳走様です。と言うことで今日集まってもらったのは、過去、会社の倒産を経験したことのあるおっさん達です!
カウぴー:パチパチパチパチ!!
しらいし:パチパチパチパチ!!
かずお君:ずっと暴落来る来る、不景気来る来るって言ってたけど、なかなか来なかった。しかし3月の頭のコロナショックで、遂にアベノミクス相場が転換期迎えたっぽい
しらいし:本当に来ましたね。しかもこの短期間に
カウぴー:きましたね、フォークボール
かずお君:今日は、リーマン前から生き残っている不動産老人会の皆さんと当時の思い出を語りあって、今回のコロナショックをサバイブするヒントが見つけられればと思っています。よろしくです!
しらいし:僕は内定が出たその年の秋にリーマンショックが起きたんです。その後、人事役員から電話があって「こんな状況なので入社するかどうかは自分で決めて欲しい。入社してもしばらくはボーナスは出せない」と言われました。来て欲しいが、来てくれとは言えない、自分で決めろと。で、腹くくって入社したら半年でリストラです。
かずお君:いきなりジェットコースターに乗せられる新社会人
しらいし:一応上場企業だったんですがこの始末です。新入社員は全員リストラされました
カウぴー:ちょっと待って、胃薬飲みます
かずお君:俺はしらいしの内定した会社の先輩でして、20代後半だった。就職氷河期に入社したけど、そこからはずっと登り調子で。利益率10%くらいの見込みで買った土地に2年かけて建物を建てている間に相場が上がってて、利益率40%で売れたりしたんだよね
カウぴー:すごい
かずお君:転売でもなんでも、とにかく買えば儲かった
しらいし:すごい、まさに昨年みたいだ
かずお君:そう!つい去年までそんな感じだったよね。すごい似てる!
しらいし:買えば勝てた…そう、最後に大負けするまでは…!繰り返してる
カウぴー:人は歴史から何も学ばない
かずお君:スルガにはめられた人も、ワンルーム買わされた人も、始めるの早ければ勝ってたぬるま湯アベノミクス。リスク感度下がりまくってたよね、この数年
カウぴー:「リスクって何?」って感じありましたね
カウぴー:私は当時、電話を握ってワンルーム売ってたんですが、景気が悪くなるとまず最初に歩合が下がりました
かずお君:それまでどれくらいだったの?
カウぴー:一部屋売ると50万、複数決めるとそれに上乗せですね。3部屋売ったら+100万みたいな上乗せ方式
かずお君:すごい!頑張るわけだ
カウぴー:でもそれがいきなり1部屋5万の歩合に
かずお君:えっ、1/10じゃん
カウぴー:3部屋売って30万プラスします!!!って朝礼で吠えられました
かずお君:生活が1部屋50万にアジャストしてるから生きていけなくない?
カウぴー:そうなんです、そんな歩合じゃとても生きていけないので、みんながむしゃらになった結果悲劇が起こったんです
かずお君:ほうほう、何が起きたの
カウぴー:営業が頑張りすぎてクレーム殺到、営業停止です
かずお君:あははは 宅建業法に抵触
しらいし:すご、その下がり様
かずお君:相手方等の利益の保護に欠ける行為の禁止
カウぴー:業務停止 すなわち死です
かずお君:最高ですね。みんな大変な思いしてる
カウぴー:あれ? さっき飲んだ胃薬がぜんぜん効かないんですけど…
- 1
- 2
KEYWORDS:
こんなご時世だからこそ読みたくなる!?
『実況! 会社つぶれる! !』(著/全宅ツイ)
全国宅地建物取引ツイッタラー協会(全宅ツイ)が募集したハッシュタグツイートで一番バズッた企画、それがこの「来年、会社なくなる」。その書籍版である本書は、会社がなくなる前の予兆を「来年」「来月」「来週」「今日」「なくなった」の5つの章にわけ、会社がつぶれる前にはそれぞれどのような予兆があるのかを面白おかしく紹介していくものである。取り上げる内容・会社は主に不動産関係の会社が中心だが、倒産前の予兆はどの会社も共通する部分が多く、一般の方にも共感していただけるものと考える。