上原浩治に聞く Q.29 自分のためにやることがチームプレーである、その意味とは?
選手たちがよく言う「監督を男にする」という言葉。その言葉に隠されたある意識とは? ついに最終回です!!
自分のためがチームのため
――それは日本特有の考えで、メジャーではそうではない?
いや、それは違います。これはあくまで僕の考え。僕はそうしてきた、ということです。
――例えば高校野球においては「チームプレー」「チームへの献身」といったことが求められる風潮があり、それは日本のスポーツ界全体にある考えの象徴的なものであるような気もします。
高校野球で言えば、補欠の選手がいたとします。もし僕がそうだとしたら、補欠として補欠のすべきことをしますよね。それはチームのためじゃない、自分のためなんです。
自分のやるべきことをやる、それがチームのためになる。考え方によるとは思いますけど、僕はなによりまず、自分というものを持ってきます。単純に僕は自分のためにやることがチームのためになると思っている。
――それは例えばWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)などの急ごしらえのチームでチームワークといったものが重要なときでもそうだったのですか。
はい。もちろんです。
だから、以前にテーマで出てきましたけれど、トレーニングをひとりでやるのも同じ考えがあるわけです。
自分のためにやるのであれば、どっちがいいか。
僕の答えは、大勢でやるより少ない人数のほうがいい。少人数のほうが質が高まるし、集中してできる。大人数でやれば、そのときのトレーニングの「しんどさ」は周りが助けてくれますけど、いざ試合となったら本当にひとりですから。いざとなったときにどっちが強いかって言ったらひとりでやっている人のほうが絶対に強いでしょう?
これはピッチャーだから、とかそういうことは関係ないと思っています。
自分に優先順位を置いて努力していくこと、それが自分を強くしてチームを強くするんだと僕は信じている。だから自分にこだわりますよ。まずチームありきじゃないんです。
――まず自分がやる。確かにチームや組織のことばかり考えることで、自己鍛錬についての意識が薄れていたことに気が付きました。そしてチームのことばかり考えていてもなかなか貢献できない、それはそうかもしれません。
繰り返しになりますけどこれに関しては僕の考えですけどね。
――いや非常にためになりました。そして今日で2月が終わります。30問30答と言いながら、2月は日にちが少ないことを迂闊にも忘れており、29問目までとなってしまいました。すみません……。
はははは。
ーーそれで、こんな30問目で恐縮ですが、「Q.30 またいつかお話をうかがわせていただけますか?」
僕でよければ、もちろん(笑)。
ーーありがとうございます!! 今日まで本当にありがとうございました。シーズン頑張って下さい。
いえいえ、こちらこそ。面白い話が出てこなくてごめんね(笑)。
2月の毎日連載・上原投手編、今日で終了です。
たくさんのお言葉をいただき一流人の哲学に触れることができました。編集部はたくさんの勇気と気付きをもらえましたが、皆さんはどうでしたでしょうか。30問目、必ず聞けるように編集部は引き続き上原浩治投手に注目し、応援していきます!
上原投手の言葉はオフィシャルサイトでも見られますのでぜひ、ご覧になってください。
上原投手本当にありがとうございました!
そして3月の毎日連載・30問30答は……タレントの関根勤さんです! ぜひ明日もお楽しみに!
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