これは「第二次世界恐慌」だ!〜評論家・中野剛志氏が緊急寄稿~
話題のMMTブームの仕掛け人、評論家・中野剛志が語る
■「日本は、財政危機だ」というのは思い込み
コロナウイルスのパンデミックにより、世界経済は深刻な事態に陥りました。
「第二次世界恐慌」という声も出始めていますが、決して大げさではありません。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-25/Q7Q1WJT0G1KY01
米国は220兆円の経済対策を決めました。
米国の国内総生産(GDP)の約10%に匹敵する、史上最大の経済対策ですが、「第二次世界恐慌」なのですから、当然の措置でしょう。
ちなみに、「インフレが止まらなくなる!」とかいう批判は出なかったようです。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032500887&g=int
ところが、この期に及んでもなお、財政赤字の拡大が心配で、財政出動が嫌いな経済学者や経済評論家たちがいるんですね、日本には。
さすがに「インフレが止まらなくなる」という批判は自粛中のようですが、その代わりに、「財政政策は効果に乏しい。それより、まずはパンデミックを収束させるのが先決だ」などとゴタクを並べているようです。
もちろん、コロナウイルスの感染拡大を防ぐのが先決だというのは、その通りです。
問題は、言うまでもありませんが、感染拡大を防ぐために経済活動を制限すると、経済全体が大打撃を受けるということです。
そのため、感染拡大の防止のためには、厳しめの措置が必要だと思っても、経済への打撃が怖いので、感染拡大防止措置を徹底できなくなります。
その結果、感染拡大の阻止に失敗し、さらなる厳しい措置が必要になるものの、それも企業倒産や失業のことを考えると、徹底するのに躊躇する。
それが、感染をさらに拡大させるという負のスパイラルです。
要するに、コロナウイルス対策と経済の板挟み、というわけです。
しかし、感染拡大防止措置による経済へのダメージは、国の経済政策によって、かなり軽減することが可能です
米国の220兆円の経済対策は、まさにそれですし、自民党の若手議員による提言も、そうです。
https://nihonm.jp/post_article/20200311
このように、経済へのダメージが経済対策によって軽減できるのであれば、その分だけ、コロナウイルス対策も強力なものにできるでしょう。
コロナウイルス対策と経済の板挟みというものから、脱出できるわけです。
ところが、ここで問題なのは「日本は、財政危機だ」という思い込みです。
この思い込みがあると、「コロナウイルス対策を徹底したいが、経済へのダメージを軽減させる財政政策をやると、財政破綻するかもしれないからできない」ということになります。
そうすると、コロナウイルス対策と財政問題の板挟みにはまって、またしても負のスパイラルに陥ります。
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日本のMMT[現代貨幣理論]ブーム仕掛け人・中野 剛志の簡単解説。
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――中野剛志
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