岸田政権という名の安倍延命政権【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第4回
評論家・中野剛志氏との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか 』がロングセラー中の作家・適菜収氏。隔週連載の痛快時評第4回。デマ、噓で塗り固め、おどおどしながら隠蔽する姿を晒す岸田文雄総理大臣を見れば、日本がどんな勢力によって支配されているかが分かる。岸田首相はちょっとした会見でも常に言葉に詰まり、どもり、目が泳ぐ。一体あれは何だろうか?
2019年、自民党による大規模買収事件が広島で発生。元法相の河井克行が公選法違反(買収、事前運動)で実刑って、自民党はどこまで腐っているんだろうね。
*
では誰が指示したのか。当初、党幹部は口を濁して逃げ回っていたが、今年5月24日、二階俊博が「党全体のことをやっているのは総裁(当時の安倍晋三)とか幹事長の私。党の組織上の責任はわれわれにある」と自白。菅義偉も「当時の(自民党)総裁と幹事長で行われていることは事実ではないか」と発言(6月17日)。当時の総理大臣と党幹事長が責任は安倍にあると名指ししたわけだ。
*
自民党本部が河井案里(有罪確定)陣営に流した1億5千万円について、岸田文雄は、「買収原資として使われなかったことは、十分説明された」との認識を示したとのこと。これで、岸田の正体がはっきりした。要するに安倍延命政権。岸田が総裁選のときに掲げていた比較的まともな政策も、ほとんど撤回された。騙すほうも悪いが、何度も同じようなものに騙される連中も相当タチが悪い。
*
安倍は全国で遊説。疑惑追及から逃げ切るのに必死なのか、自分の影響下にある〝安倍チルドレン〟の当選の確保に躍起になっているという。それ以前に、自分がチャイルドなのにね。
*
JR大宮駅近くの街頭演説では「私たちは立憲民主党と共産党に負けるわけには行かないんです。この組み合わせに負けたら、日本はあの悪夢の様な時代に逆戻りしてしまいます」と発言。いつものパターンで飽きられたのか、聴衆ウケはよくなかったという。
これまでも安倍は「民主党政権は悪夢だった。間違いなく」(2019年2月の衆院予算委員会など)と繰り返し、野党に追及されると「国会答弁で悪夢のような民主党と答えたことはない」(2020年3月23日)などと大嘘をついてきた。
先日、バカが「旧民主党の連中は民主党政権の3年間でやったことに対する反省がないから自民党に投票する」と言っていた。民主党よりはるかにデタラメだった9年間の反省のない自民党に!
*
先日、バカな記事を見かけた。《衆院選「白票」ツイート次第に増加――白票は無意味か?》だって。記事ではどこかの大学教授が、「白票が増えることによって議論の種になり得る。数が増えれば増えるほど話題になり政策に影響を与えることもできる」と、白票にも一定の意味があると指摘したとのこと。んなわけあるか。白票は無意味に決まっている。キモ。
*
KEYWORDS:
[caption id="attachment_1058508" align="alignnone" width="525"] ◆成功体験のある人間ほど失敗するのはなぜか
◆ 新型コロナが炙り出した「狂った学者と言論人」とは
高を括らず未知の事態に対して冷静な観察眼をもって対応する知性の在り処を問う。「本質を見抜く目」「真に学ぶ」とは何かを気鋭の評論家と作家が深く語り合った書。
はじめに デマゴーグに対する免疫力 中野剛志
第一章 人間は未知の事態にいかに対峙すべきか
第二章 成功体験のある人間ほど失敗するのはなぜか
第三章 新型コロナで正体がばれた似非知識人
第四章 思想と哲学の背後に流れる水脈
第五章 コロナ禍は「歴史を学ぶ」チャンスである
第六章 人間の陥りやすい罠
第七章 「保守」はいつから堕落したのか
第八章 人間はなぜ自発的に縛られようとするのか
第九章 世界の本質は「ものまね」である
おわりに なにかを予知するということ 適菜 収[/caption]
※上のカバー画像をクリックするとAmazonサイトへジャンプします