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そもそも、なんで「働く」んだっけ?
~ニート株式会社の実験と冒険~

現在観測 第20回

日本中のニートだけを集めたことで話題になった「NEET株式会社」が出来て約2年が経ちました。全員がニートで会社はなりたっているの? どんな事業を展開しているの?
「NEET株式会社」の発起人であり、会長を務める若新雄純さんに「ニート」と「働き方」についてお話を伺いました。

「NEET株式会社」という実験

僕が日本中のニートたちだけを集めて会社をつくり、全員が社員じゃなくて“取締役”になるという「NEET株式会社」を設立して約2年。

 

え、あの会社ってまだあんの?倒産したんじゃないの?って思っている人もたくさんいるみたいですが、倒産していません。そしてきっと、これからも倒産はしません。

 

全員が“取締役”になるっていうのは、つまり会社から給料をもらう「従業員」ではなく、自分たちでお金を稼いで給料を払う側の「経営者」になるってことなので、儲からなければ給料を払う必要はないし、仕事がなければ出社する必要もない。そしたら、オフィスも必要ないから、何にもお金がかからない。

つまり、会社として全然うまくいってなくても、ちっとも儲からなくても、絶対に倒産したりはしないのです。

 

そんな、ゆるすぎる会社をつくったのは、「会社」とか「就職」とか「労働」とかいうものを、根本から考え直してみたかったから。もっと言うと、そもそもなんで僕たちは「働く」のかってことを、一度立ち止まってゼロから考えてみたかったからです。

 

だって、そもそも僕たちはなぜ「働く」のか、その理由や意味をちゃんと考える機会ってほとんどないと思うんですよね。おとなになったら、「働く」のはあたりまえ。

ニートって、ある意味その「あたりまえ」にあらがって生きているわけです。

 

あたりまえではない生き方をしている、働かない、働きたくない「ニート」と呼ばれる若者たちだけが集まって会社をつくってみたら、果たしてどんなことが起きるのか? うまくいくのか、いかないのか? 何か新しいものは生みだされるのか、何も生みだされないのか?

そんな社会実験をしてみたいという若者たちに集まってもらい、とにかく好き勝手にやってもらうことにしました。

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若新 雄純

わかしん ゆうじゅん

コミュニケーションプロデューサー/慶應義塾大学特任助教。福井県若狭町生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(政策・メディア)修了。専門は産業・組織心理学とコミュニケーション論。全員がニートで取締役の「NEET株式会社」や女子高生がまちづくりを担う「鯖江市役所JK課」など、多様な働き方や組織のあり方を模索・提案する実験的プロジェクトを多数企画・実施中。著書に『創造的脱力』(光文社新書)がある。

若新ワールドhttp://wakashin.com/


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