依頼者の希望で東池袋の「カワウソカフェ」に行ってきました【中田考のレンタルおじさん】
中田考「レンタルおじさん、始めました」連載第4回
話題の新刊『タリバン 復権の真実』を上梓し、いま講演にお呼ばれして東奔西走中のイスラーム法学者・中田考先生。しかし、レンタルおじさんの依頼は絶えません。男女問わず。どんなに忙しくても時間の許す限り会って依頼者のお話しをしっかりじっくり聞かれる中田先生の姿を見ています。東大に3回落ちた岸田文雄首相が「特技は、人の話をしっかり聞くこと」だと自慢していましたがまったく笑わせるではありませんか。とにかく先生は依頼者の心の扉を開き、さまざまな失敗談や悩みを打ち明けさせる。すると先生は時に笑いがこらえきれず「いやー、みんなちがって、みんなダメだからねー」と呵々大笑し、優しく諭します。悩みに対しては子どもから大人まで、みんなに読んでもらうと、生きるのがラクになると評判の中田先生の名著『みんなちがって、みんなダメ:身の程を知る劇薬人生論』(KKベストセラーズ)をついでに紹介するとして、今回はなんと小柄で可愛いらしい女性が「カワウソカフェ」に中田先生をレンタルして連れて行きたい、と言います。先生は動物は苦手だったような……。さて、その顛末は?
今回は依頼者の希望で東池袋のカワウソカフェに行ってきた話です。
カワウソカフェといっても、実はウサギもいて正式には店名も「うさかふぇmimi」です。でもウサギはじっとしているだけでちょこちょこ動き人懐っこいカワウソの方が人気なので、カワウソカフェと呼ばれています。私は「池袋ウエストゲートパーク」を観て育った西池袋の住民Gボーイズなので(ウソ)、ブラックエンジェルスのシマである東池袋にはふだんは足を踏み入れません。
東池袋はサンシャインシティやアニメイト本店などがあるサブカルな街(西池袋にあるのはトキワ荘博物館です)ですので、若者で溢れた東池袋を歩くと頭がクラクラします。というわけで、地図が読めない日本人なので、グーグルマップをみても丁寧に案内してくれているはずなのにぜんぜんみつからず迷っていると、、ハラール・ショップの看板が。つられてそちらの方に歩いていくと、猫カフェとかもあります。東池袋はカオス。と、諦めてベストセラーズ社の編集さんに電話をして迎えに来ていただくと、店の前にカワウソを抱いた客引きが立っており、若い女の子たちがふらふらとエレベーターに引き込まれていました。
カワウソカフェは満員で、女の子だけでなく、親子連れや、オタクっぽいボッチの男性とかもきていました。カワウソは6匹ほどいて、家は別にあり、毎日このカワウソカフェまで車で出勤してきているそうです。他の客の手前、言いたいことはいろいろありましたが、我慢して、カワウソ相手に「健常者しぐさ」でニコニコと愛想を振りまいていましたが、時間が来ると延長もせずにすぐに飛び出しました。その後、先ほど見つけて気になっていたハラールショップに寄ってハラール拉麺を6つ買い、若者向けの靴屋でオサレな靴を買い、たしか45年ぶりぐらいに入ったゲームセンターで最新のプリクラを撮影し(写真)、池袋を満喫した後で喫茶店に入り、依頼者とカワウソカフェの感想を話し合いました。