依頼者の希望で東池袋の「カワウソカフェ」に行ってきました【中田考のレンタルおじさん】
中田考「レンタルおじさん、始めました」連載第4回
■イスラームではペットをかわいがったりしないんですか?
依頼者:イスラームではペットをかわいがったりしないんですね。
中田:そもそもペットをかわいがる、ってなんですか。鎖でつないだり家に閉じ込めたり、飼い主の勝手で服まで着せたりして。イスラームは自由を最も尊ぶので動物であれ人間であれ束縛することを「かわいがる」とは言いません。家畜同然の国畜、社畜に成り下がった日本人には分からないかもしれませんが。
依頼者:コクチク、ってなんですか?
中田:国家の家畜で「国畜」です。国家神リヴァイアサンの奴隷と言っても同じことです。
依頼者:うわぁー、イスラームから見ると人間も家畜扱いですか。
中田:野生動物は人に危害を及ぼさないままに、自由に生きるままに放置しておく、ということです。イスラームは人間も家畜扱いするというか、家畜に対しても人間並みの扶養義務を負わせていると言った方がいい。預言者ムハンマドは、ラクダが虐待されているのを見て、「口が利けない家畜の扱いにおいて神を畏れ、丁寧に乗り、適切に扶養しなさい」と言いました。イスラームでは家畜にも重い荷物を積まず、十分な餌を与え、虐待せず、無用に殺さず食べるためにやむをえず屠殺する時も最も苦しまない方法で殺すように命じています。ある意味、西欧のアニマルライト(動物の権利)の先駆とも言えなくもない。
依頼者:そういえば、仏教も殺生を禁じてますよね。
中田:まぁ、仏教徒、殺生戒守っていませんけどね。いい加減な名ばかり仏教徒の国日本だけじゃなく、小乗仏教(上座部仏教、テーラワーダ仏教)の本場タイでも、タイ料理の定番ガパオライスとかも豚肉料理だしね。
人類は雑食なので、殺生戒、菜食主義は極端で自然に反します。カワウソは食べませんけど、兎は食べられます。エジプトではモルヘイヤ・スープはウサギでダシを取るのが正式な食べ方でした。カワウソと一緒にウサギを見たのでウサギを食べたくなりました。実は池袋西武百貨店レストラン街のスペイン料理屋「銀座びいどろ」ではウサギのグリルが食べられます。次回はカワウソカフェなんかよりウサギを食べられるレストランに行きましょう。
構成:ヒサマタツヤ