改憲派だからこそ反対する「自民と維新の改憲論議」【篁五郎】
■自民党と維新の会には議論をする資格すらない
今回の改憲論議の中心は自民党と維新の会である。この二つの政党にそもそも民主主義における議論をする資格があるのだろうか?
自民党は、安倍元総裁が総理大臣在任中に起こした「森友学園問題」「加計学園問題」「桜の会疑惑」について当人から説明をすることなく総辞職をした。桜の会疑惑だけで国会で118回もウソを付いたのが明らかになっている。森友学園問題では公文書改ざんをしておきながら責任を取ることなくのうのうと権力の座に居座り続けた。公文書改ざんの罪の重さに耐えきれず自ら命を絶った赤木俊夫さんの遺書や公文書改ざんの全容が記されている赤木ファイルの存在が明らかになっても頑なに「再調査をしない」と拒否をしている。
しかも赤木さんが自殺をしたのは野党議員の追求に耐えられないからという大嘘を流したDappiというTwitterアカウントは、自民党と深いつながりがあることが明らかになっている。アカウント運営していた会社の社長が自民党の事務方トップである元宿仁事務総長の親戚を名乗り、党本部や東京都連に出入りしていたこと。社長に政党や国会議員を介して国会通行証が貸与されたことや政党職員や議員秘書でないと開けない銀行口座があるのも判明している。
ただの取引関係にあるだけとは思えない。
この疑惑は総選挙の前に明らかになったものの自民党は誰一人知らん顔をして選挙を戦っていた。Dappi疑惑、森友学園問題、加計学園問題、桜の会疑惑についてだんまりを続けるならば議論の土台である「信頼」を完全に失うことになる。信頼できない相手と議論はできない。
維新の会ついては口にするのもおぞましい。公然わいせつから詐欺まで犯罪者のオンパレードである。先の総選挙でも運動員が買収行為をして公選法違反で逮捕されている。また、維新3回生・伊東信久議員が議員会館でマルチ商法のセミナーを行ったと週刊文春に報じられている。他にも参院議員の梅村みずほ議員の公設第1秘書で、維新府議の横倉廉幸の娘婿成松圭太氏が酒の席で口論になった男性を車でひき、ボンネットにのせたまま走り、男性が落下すると、車から降り、殴る蹴るの暴行を加え、殺人未遂で逮捕されたなど犯罪者の集まりかと錯覚するような集団でもある。
おまけに都構想とやらは住民投票は一回だけと言いながら二回もやるわ、否決されたにも関わらず「総合区」と名前を変えて大阪市を廃止しようと動き回っている。
そんな政党の連中を信用しろと言っても無理な話である。
つまり、自民党と維新の会は議論の根底にある「信頼」「信用」ができない人たちの集まりである。そんな連中が進める改憲など反対するのが保守と呼ばれる人間ならば当然であろう。
憲法改正はミラクル逆転装置ではない。
文:篁五郎