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元秘書が明かす世界のトップを説得する孫正義の英語術

本当に必要な英語は中学レベルで十分《プレゼントあり》

難しい表現より伝わる表現が孫正義流

 ここで、三木雄信著『なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか――孫正義のYesと言わせる技術』(祥伝社)に掲載されている「孫正義の英語のポイント50」のなかから、いくつかの例を紹介しよう。

孫正義の英語のポイント1

前置詞のついた表現を繰り返して言いたいことを強調する

(例文)
You were feeling by your entirebody, by yourselves, with your eyes, with your skins, with your whole body.

(訳)
皆さんは全身で、皆さん自身が、目で、肌で、全身で感じられていたでしょう。

このセンテンスで、孫正義は前置詞をうまく使って、メッセージをより強く表現しています。
 根幹となる部分は「You were feeling」です。これに前置詞「by」と「with」をつけた表現を何度も繰り返すことで、震災の現場で実感したつらさや悲しさがどれほどのものだったろうかと強調しています。
 また、孫正義は「by your entire body」「with your whole body」と、前置詞と名詞の間に「entire」「whole」といった形容詞を入れることでさらに意味を強めています。
 皆さんも、前置詞の使い方にぜひ注意を払ってみてください。
孫正義の英語のポイント2

繰り返し強調するときに便利な「As I said ~」

(例文)
As I said in the first part of my presentation, U.S. has been No.1.

(訳)
私がプレゼンの最初の部分で申し上げましたように、合衆国はNo.1 であり続けています。

 孫正義はプレゼンでもビジネスでの交渉でも、重要なことは何度でも繰り返し強調します。日本語でも英語でも同じです。それは、重要なキーメッセージは1 回言うだけでは足りないからです。
 プレゼンではキーメッセージは、そのプレゼンのカギであり、何度も出てくることがあります。また、同じことをより具体的な例で説明し、それを再び総括するというサンドイッチのような論法を使うこともよくあります。(キーメッセージ)―(具体例)―(キーメッセージ)という構成です(表現11 参照)。こうした時に使うと便利なのが、このセンテンスです。
「As I said ~」も、中学レベルの非常に簡単な英語です。それに前置詞「in」をつけて、そのメッセージがどこでの発言だったかを特定しています。孫正義は時には「As I said,」だけで終わらせてしまうこともありますが、それだけでも聴衆は「ここが重要なんだな。だから繰り返し強調しているんだな」と感じることができます。
孫正義の英語のポイント3

専門的分野も外来語化した単語と中学文法で議論する

(例文)
Leverage, we 3.0x. They would be 5.9x. It is even worse than 5.9x, because their deal structure is very complicated.Our structure is straightforward.

(訳)
レバレッジですが、我々は3 倍です。彼らは5.9 倍でしょう。それは、5.9 倍より一層悪いでしょう。なぜならば、彼らのストラクチャーはとても複雑です。我々のストラクチャーは簡単です。

 センテンスの構造は、とても簡潔です。
「their deal structure is very complicated」と「Our structure is straightforward」は対応関係にある構造となっています。
 ちなみにこのセンテンスは財務的なことを議論しているので、難しいような気がします。しかし実は、英文法としては難しい要素はありません。単語も、専門的に財務を議論するビジネスパーソンにとっては難しいものはありません。「Leverage」は、金融理論ではごくごく一般的に使われる「レバレッジ」として、日本語でもおなじみです。
 このように専門的なセンテンスも、普段日本語で使っている外来語の専門用語と簡単なセンテンスの構造で議論することができるのです。
孫正義の英語のポイント4

現在完了は「継続」と「結果」で十分

(例文)
It has been the growth engine of the United States for the economic growth.

(訳)
それは経済成長のための合衆国の成長エンジンであり続けています。

 孫正義の英語を聞いて分かってくることは、できるだけ難しい文法を使わないで意味の深い表現をしているということです。
 孫正義の英語を分析すると、多くの場合、単語も文法も、中学校で学習する範囲に入るのです。そうした中で文法的に一番難しい表現は現在完了です。現在完了は、学校教育では中学3 年生で学びます。
 現在完了には、4 つの用法があります。
 そのひとつは、継続「~をし続ける」という用法です。このセンテンスでも「成長エンジンであり続けています」という状態が現在までずっと続いているということを言っています。
 現在完了の残りの3 つの用法は、
・完了「~し終わったところだ」
・経験「~したことがある」
・結果「~してしまった」
というものです。孫正義の使用例としては、「継続」以外の用法ではまれに「結果」(~をしてしまった)があるぐらいです。ちなみに、過去完了を使っているのを聞い
た記憶は私にはありません。
 ある状態や状況を示すために、現在完了までおさらいしておけば大丈夫でしょう。

 いかがだろう。
 同書では、あえて孫社長の間違った英語の例も挙げている。逆に言えば、たとえ文法的に間違っていても、十分に伝わるということだ。
 ビジネス英語も日常英会話も、とにかく使うことで自分のものになる。英語を話したいと思いながら、壁にぶつかっている人は、ぜひ本書を手にとってみてほしい。大いに勇気づけられるはずだ。

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 本記事をお読みいただいた方のなかから抽選で3名様に、三木雄信著『なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか――孫正義のYesと言わせる技術』(祥伝社)をプレゼントいたします。
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応募用メールアドレス ikkojin@bestsellers.co.jp
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締め切りは2016年3月17日18:59といたします。
当選者の発表は、賞品の発送をもって替えさせていただきます。
 

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