宝塚を初観劇して、大感激した話
『シェイクスピア 人生の名言』はシェイクスピア没後400年のメモリアルBOOK。同じくシェイクスピアを題材にした宝塚の舞台を観に行ったので、レポートします!
これは2016年1月に発売された『シェイクスピア 人生の名言』のなかで紹介した名言のひとつです。「『言葉、言葉、言葉』が名言?」と疑問に思ったかたもいらっしゃるかもしれません。正直、担当編集者の私でも、なぜ著者の佐久間先生がこのせりふを名言として選んだのか、その真意、その意図を正確に汲み取れていなかったのかもしれません……、宝塚・宙組公演 『Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』を見るまでは。
『シェイクスピア 人生の名言』は、シェイクスピアの没後400年の節目となる2016年の幕開けに出した1冊です。同じようにシェイクスピアを大劇場公演の演目に選んだ宙組の舞台、これは見逃すことはできません。観劇好きの後輩編集者を連れ立って、人生初の宝塚に行ってきました。
「ロミオとジュリエット」、「ハムレット」、「マクベス」……シェイクスピア作品の劇は数多あれど、“シェイクスピアの生涯”を扱うのは珍しいうえに、「宝塚×シェイクスピア」がどのようなものになるのか想像つきません。
『Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』という演目タイトル通り、シェイクスピアの「言葉」にフォーカスされています。
宝塚オフィシャルHPの作品紹介でも
とあります。いかにシェイクスピアが「言葉」を紡ぐことに歓びを感じ、時には苦悩し、そして、生きる希望であったかを、1時間35分の舞台を通してわたしたちは痛烈に思い知らされるのです。「お金」では動かすことのできない人の心を、「言葉」でなら動かすことができる。「言葉」は時に、鋭利な剣のように人を傷つけるけれど、砂漠に沸いた泉のように、渇ききった人の心を潤わすことができる。
夫婦愛が大きなテーマでしたが、私にとっては「言葉」というものを深く考える時間になりました。
『シェイクスピア 人生の名言』で紹介した「言葉、言葉、言葉」に対する考えが、観劇前と観劇後ではまったく違ったものになり、編集者という「言葉」を生業とする職業(のはしくれ)に身を置く私は、襟を正される思いになりました。
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