オミクロンのもとで経済を回す方法【佐藤健志】
佐藤健志の「令和の真相」37
◆終わらなかったコロナ禍
2020年から2021年にかけて、わが国では新型コロナウイルス感染症について、流行拡大の波が5回生じました。
それぞれの波の期間、つまり「いつごろ始まって、いつごろ終わったか」については、「波」をどう規定するかによって多少の異同があるものの、まとめておけば以下の通り。
◉第一波 2020年3月末〜5月
(4月〜5月、緊急事態宣言第1回)
◉第二波 2020年7月〜8月
◉第三波 2020年11月上旬〜2021年3月上旬
(2021年1月〜3月、緊急事態宣言第2回)
◉第四波 2021年3月下旬〜6月
(4月末〜6月、緊急事態宣言第3回)
◉第五波 2021年7月〜9月
(緊急事態宣言第4回)
最大の波は第五波でしたが(ただし感染者に占める死亡者の割合は第四波より顕著に低下)、秋口になって急に収束します。
ワクチン接種が進んだためとか、夜間の滞留人口(とくにワクチン接種をすませていない人)を低く抑えることができたおかげとか、いろいろな説明がなされましたが、本当のところは専門家にもよく分からないのだとか。
とはいえ、感染が下火になるに越したことはない。
長かったコロナ禍もついに終わった!
これからは経済のV字回復をめざすんだ!!
2021年秋、岸田内閣が成立した時点では、そんな気運まで見られました。
ところがどっこい。
「よく分からない理由でいいことが起きたら続かないと思え、よく分からない理由で悪いことが起きたら繰り返されると思え」という法則は、ここでもしっかり当てはまりました。
11 月下旬、南アフリカで新たな変異株の発見が公表される。
11月26日、WHOはこれを「オミクロン株」と命名、欧州CDCともども「懸念される変異株」と位置づけます。
同28日には、わが国の国立感染症研究所もこれにならいました。
政府は水際対策を講じますが、2022年になると国内でも感染が拡大。
ウイルスの侵入を許した最大の抜け穴は、在日米軍の存在だったりするんですな。
『平和主義は貧困への道』とは、私が2018年に出した本のタイトルですが、なんと平和主義、感染への道でもあった次第。
この理念を掲げつづけるかぎり、日本はアメリカに安全保障を依存するしかないんですからね。
かくしてわが国も、今や第六波を迎えるにいたったものの、この変異株については興味深い主張が見られます。