最強のコロナ対策は、対策を緩めることだ!【佐藤健志】
佐藤健志の「令和の真相」39
◆オミクロンがくつがえしたもの
新型コロナウイルスのオミクロン株による急速な感染拡大、いわゆる第六波の勢いがなかなか止まりません。
沖縄・広島・山口には1月9日よりまん延防止等重点措置が適用されましたが、1月21日になると、東京、群馬、埼玉、千葉、神奈川、新潟、愛知、岐阜、三重、香川、長崎、熊本、宮崎の1都12県でも適用されることに。
1月27日、北海道、大阪府、京都府など1道2府15県が続きます。
2月5日にはさらに和歌山が加わる。
東京など1都12県の重点措置は2月13日までとなっているものの、これについても延長論が出ています(2月3日現在)。
オミクロンの感染拡大については、急速に進むかわり、収束も早いという予測がある。
「8割おじさん」こと、京都大学の西浦博教授もこの意見。
2020年、コロナ感染拡大の第一波が到来したとき、対人接触を8割減らすよう提唱したのでこう呼ばれます。
くだんの予測が正しければ、第六波は短期間の辛抱ですみそう。
ただしこれは、ピーク時のインパクトが強烈なものとなることも意味します。
西浦教授の表現ではありませんが、「ものすごい規模のものが一瞬でドンと訪れる」。
ついでに第六波が、コロナに関する従来の通念をくつがえした点も見過ごせません。
新しい感染症が広まったとき、人々がまず注目するのは、それによって死者がどれくらい出るか。
コロナで言えば、肺炎が重症化するリスク、ひいては肺炎で亡くなるリスクになります。
オミクロンは重症化率が低い。
ワクチン接種をすませ、効力が持続していればとくにそうです。
だったら感染が拡大したところで、重症者・死者の数は相対的に少なくてすむ。
これを根拠に「オミクロン、恐るるに足らず」とする主張が、わが国でもけっこう見られました。
重症化率が低いのは、ウイルスが毒性を弱めはじめたことの表れであり、すなわちパンデミック終息の兆しではないかとする見解も登場。
後者の見解は、じつは正しい可能性もあります。
けれども前者はみごとにハズれました。
重症化率が低いかわりに、オミクロンは感染力が強かったのです。
そして軽症者でも、症状によっては社会経済活動がしばらくできなくなってしまうんですね。
高熱が出たり、全身がだるくなったりするんですから。
無症状者や濃厚接触者であろうと、感染を拡大させないよう、一定期間の隔離は不可避。
毒性が弱まったところで、感染力が強ければ社会の基盤は揺らぐのです!
沖縄など1月18日の時点で、すでに綱渡り状態でした。
濃厚接触者にたいする行政のPCR検査が1週間待ちで、那覇市内の幼稚園や保育園の6分の1 は休園した(1月12日時点)と伝えられます。
「弱まった」と言っても、インフルエンザなどに比べれば、新型コロナはまだまだずっと危険。
それも呼吸器に限った話ではない。
「オミクロンのもとで経済を回す方法」で述べたとおり、軽症、ないし無症状の場合でも、心臓、腎臓、脳を含めた他の臓器に損傷を与えるリスクがあります。
要するにオミクロン、「毒性が弱まる=怖がらなくてよい(社会に与える影響は小さい)」という通念を否定したのですよ。
となると、パンデミックが終息に向かいだしても気は抜けないことに。
ウイルスのほうが、こちらより一枚上手(うわて)な感じですが・・・
人間も愚かではない。
感染急拡大にもビクともしない、最強のコロナ対策があるのです。
以下、ご紹介しましょう。
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