Scene.20 世紀末を駆け抜けろ!
高円寺文庫センター物語⑳
「あれ、木楽舎のカンちゃんにキタやん。二人して雑誌『ソトコト』の売れ行き調査に来たの?」
「違いますよ!
店長が忘年会で杉作J太郎さんのトークで呼吸困難になるって言ったから、二人で来たんじゃないですか」
「あっれ。リットーミュージックのハットリくんや、シンコーミュージックの春日部くんまで?!」
「これだよ。店長は覚えていないんだなぁ、サイン会とトークショーの時間まで大将で飲んでいますからね」
「そっかぁ、悪い悪い! めっちゃ、大人数にPRしたから忘れちゃって。とにかく、来てくれてありがと」
去年の杉作J太郎サイン会&トークショー、打上げの抱腹絶倒がもったいなくて笑いの極楽・・・・いや、呼吸困難になるんだから地獄かも知れない! と、もっともっと、多くの方々にJさんの笑撃を味わって貰いたかった。
徳間書店刊『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』である。
『トリアノン』で待ち合わせていると、マスクをしたJさんがやって来た。
いささか呼吸も荒くゼーゼーっと、トークショーが心配になる。
「風邪なんですか?」
「予防です!」
打ち上げは、例によって『魚民』にJさんファンのお客さんたちも招き入れての、期待の大爆笑トークが炸裂。
アルコールも効いたところで内山くん、Jさんを崇拝するあまり・・・・。
「Jさん!
Jさんの文章『男一匹火の車』が最高でさ、自作の曲を作ったけんが・・・・詩を聴いて貰ってよかね?
テレパシーなどないけどよ、キミの気持ちはよくわかる
どこのどいつが好きなのか、オレじゃないのは、よくわかる・・・・
ボクはねぇ~Jさんの存在に、多大なる影響を受けとると! 勝手ながら、タイトルにいただきました」
「どーぞ、どーぞ。ただボクの文章からの、一家4人で火の車はシャレにならんでしょ・・・・恐ろしい話です」
「店長、ちょっと遅刻ばい」
「だってまた、中央線に飛び込み自殺だよ! この一週間で三回目って、中央線は呪われてないか?!」
「店長、まんま新刊のタイトルじゃないですか。イベントにバッチリですよね!」
「イベントでアタマいっぱいだから、潜在意識にインプットされたかぁ・・・・」
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