Scene.21 いいのか悪いのか、答えは風に吹かれている。
高円寺文庫センター物語㉑
扶桑社の新刊『中央線の呪い』で、サイン会&トークショーが決まった。杉作J太郎さんのイベントから二か月も空いてしまったので、やれやれと胸を撫でおろす思いでいた。
個性派書店の評価をいただいたのは嬉しいが、逆になかなかドンピシャリのイベントを見つけるのが難しくなった。
ところがなんだか、バイトくん達の表情がさえない。どうも高円寺ネイティブには、高円寺を評論されるのが気に入らないのかも知れない・・・・。
高円寺新人は、なんでも知りたがったり面白がったりでも、何年か住んでネイティブチックになるとプライドでもできるのだろうか? いや、お客さんもそうだけど高円寺愛にどっぷり浸かって溢れかえっているんだろうなぁ~。
その点は、店長として高円寺ないしは中央線沿線に住んでいなくてよかった。「川向う」の視点から、クールに中央線文化を睥睨していられたもんだ。
「中央線本で、まずは文庫センターに声をかけてくれるってありがたいじゃん。雑誌『SPA!』のお付き合いから、ちゃんと気に留めていただいていた証しだぜ!
中央線イコール文庫センターの定着ってデカいもん。しっかり、やりきろうじゃん。ところで著者の三善里沙子さんと、対談相手の切通理作さんは高円寺ネイティブなの?」
「お二人とも、阿佐ヶ谷ばい」
阿佐ヶ谷よりはまだ中野にシンパシーがあったのだろうか・・・・。
阿佐ヶ谷からすると、高円寺はちょっと。荻窪からすると、さらに高円寺はちょっと。西荻や吉祥寺になると、もはや高円寺は眼中にない中央線スパイラルなのかな。
営業政策の基本に据えたイベント路線、スタッフがノリ切れないなかでのイベントはお客様に受け入れられたのだろうか?
労働運動から学んだ「総括と展望」 書泉時代の学参担当時代に焼き付いた、赤本の「傾向と対策」を共々、商いに活かしてきたつもりでも臨機応変というのは本当に難しい・・・・。
映画音楽は、イントロだけであるワンシーンが甦ってきたりする。口笛だけで始まる「ある晴れた朝突然に」は、好きなジャン・ポール・ベルモンドが主役でお気に入りの映画。
ケータイを持ち歩く様になって久しいが、ある暑い日に突然ケータイに電話がかかった!
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