「今の人たちは食に対して贅沢になりすぎている」 土光敏夫が教える清貧の思想
【連載】「あの名言の裏側」 第2回 土光敏夫編(2/4)“メザシの土光さん”の真相
土光氏は続けて、このように説いています。
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食は本来、必要最小限の物を摂取すればいいと僕は思っている。最近は三〇代や四〇代で糖尿に苦しむ人が多いそうだが、栄養失調も困るけれど栄養過多はもっといけない。古来、“食過ぎて死ぬ者あるも、食適当にして長寿者多し”という訓えもある。(『土光敏夫大事典』より)
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また、自著『信念の言葉』には、次のような一節が登場します。
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年をとってもビフテキなんか食べている連中の中には、栄養過多のせいか、糖尿病に悩んでいる人が少なくない。
そういう人をみると、「あんたたち、高いカネをかけて、いったい何をやってんだい」と、つい皮肉をいってしまいたくなる。
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なんとも耳が痛い指摘です。とはいえ、何事も自身の行動で示し、他の者に求めるならまずは自分が率先して実践する、という姿勢を一貫して取り続けた土光氏の言葉だけに、素直にこうべを垂れるしかありません。
文/漆原直行