ベストセラー漫画小林よしのりの「コロナ論」をぶった斬る【篁五郎】
そして小林氏と井上氏、京都大学大学院の藤井聡教授、元厚生労働省の医療技官・木村盛世氏、国際政治学者の三浦瑠麗氏などが無視している現実が、コロナ感染者の中に後遺症で苦しんでいる人がいることだ。2020年から後遺症に悩んでいる患者が確認されており、主な症状として以下が挙げられる。
・味覚や嗅覚(きゅうかく)の異常
・倦怠(けんたい)感
・集中力の低下
・呼吸困難
・発熱
・抜け毛
先日、オミクロン株に感染した放送作家の鈴木おさむも後遺症に悩んでいる一人だ。鈴木氏は雑誌「AERA」で連載中のエッセイで、味覚異常と右耳が聞こえづらくなったことを告白し、知人で後遺症によるうつ病に悩まされている人がいることも明かした。現在東京都で後遺症に関するリーフレットを配布して感染者が回復した後も気になる症状があれば、相談するように促している。
小林氏はワクチン接種をすることで体におかしなことを起きるかのような主張をしているが、今現在新型コロナウイルス感染による後遺症に悩んでいる人は大勢いるし、中には一年以上も症状が出ている人がいる。「コロナが風邪」と断言するのならば後遺症について言及してほしいものだ。
最後に小林氏が主張する「反自粛」について言及しよう。
小林氏は「命よりも経済の方が重い」と言っているが、人がいなければ経済を回すことは不可能である。反論として「経済を回さないと人間らしく生きられない」という声が出てくるだろう。だからこそ初期のうちに強くて強力な行動制限をし、その後は感染対策をしながら経済を回せば良かったのだ。台湾やニュージーランドは第一波を強力な行動制限と手厚い補償で乗り切っている。
行動制限中は政府が徹底した補償と給付をすればいい。そうすれば何とか我慢できただろう。終わりが見えれば人は我慢ができるのだ。医学的なエビデンスもなしに感染症対策の基本である人との接触を止めろなどというのは、無謀でしかない。そんな政府の言うことを誰が聞くのであろうか?
もしコロナに無防備であったら諸外国が日本との交流を打ち切る可能性が出てくる。グローバル化の批判をしていた小林氏は喜ぶだろう。しかし、対策ゼロでは人との交流だけではなく日本への輸出も止めてしまう可能性が出てくる。もし輸入が止まればコロナ感染以上の混乱が起きるだろう。「コロナ論」1巻からグローバル化の弊害を述べているが、最悪の事態を想定しているとは思えない。物事は連関して考える必要がある。小林氏がかつて共に行動をした故西部邁先生が日頃から言っていたのが「連関した考え」であった。その教えを彼は忘れてしまったのだろうか。非常に残念である。
なぜ小林氏は極端な言動に出てしまったのか?次の記事でその原因を分析してみる。実は多くの現代人が同じ道を辿る可能性があるだけに無視はできない。
文:篁五郎
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