橋下徹がメディアの記者を萎縮させた手口とは? 大石あきこ代議士を訴えた名誉毀損裁判【篁五郎】
大石あきこ代議士を訴えた名誉毀損裁判・第二回口頭弁論
◆大石あきこ代議士は橋下徹氏の社会的評価を下げたか
元大阪市長の橋下徹氏が、れいわ新選組の大石あきこ衆議院議員を名誉毀損で訴えた民事訴訟の第二回口頭弁論が5月27日に大阪地方裁判所で開かれた。
原告の橋下徹氏は第一回と同様、法廷に現れず担当弁護士だけが姿を見せた。一方被告である大石あきこ衆議院議員は国会で予算委員会があるため出廷できず、6名の弁護団のみの出廷となった。また、大石議員と同じく橋下氏に訴えられた日刊ゲンダイも担当弁護士が出てきて橋下氏の訴訟を受けて立つ構えを見せた。
裁判の注目度は高く、傍聴希望者が所定の34人を大きく超えて50人以上が集まった。前回の第一回も多かったが、今回はそれ以上に多い印象だ。当サイトは前回落選したが、今回は当選し、裁判を傍聴できることになった。
法定には原告の橋下徹氏の代理人弁護士と被告の大石代議士の弁護団と日刊ゲンダイの代理人弁護士が入廷。主任弁護人の弘中弁護士が交通渋滞のため定刻に間に合わないトラブルが起きたものの15分遅れで無事に開廷された。
今回は原告と被告の言い分を裁判官が聞く回であるが、橋下氏側は初回と主張は変わらず。
「大石あきこ衆議院議員が日刊ゲンダイの掲載したインタビューによって社会的評価が低下した」
上記の言い分を訴えた理由だとした。因みに橋下氏が問題にした発言とは「橋下元知事は気に入らないマスコミをしばき、気に入らない記者は袋叩きにする」「「言うこと聞くんやったら、特別の取材させてやる」とか飴と鞭でマスコミをDV(ドメスティック・バイオレンス)して服従させていた」というもの。
橋下氏は「自分はメディアとの関係は非常に友好的だった。マスコミの取材はできる限り保障されるべきであるという信条であり、その考えによって社会一般から肯定的な評価を受けている」と訴状に記したのだ。
つまり「オレはマスコミに対して友好的な態度を取ってきた」と言ってのけたのである。
これに対して被告側の大石代議士側は、橋下氏がマスコミに対して威圧的な行動や発言をしてきた事例を挙げて反論。2012年に毎日放送の記者を名指しでTwitterや定例会見で誹謗中傷したことや、同年朝日新聞の記者にも誹謗中傷したといった具体例を提示して橋下氏が記者を萎縮させた行動を取っていた事実を列挙。橋下氏の行為は見せしめであったと主張した。さらに大石あきこが日刊ゲンダイで発言したのは現在のマスコミの在り方を批判したものであり、橋下氏の名前が出たのは流れの一環でしかないとした。
さらに被告側は橋下氏が自身の著書で、「仮装の利益」と称して「相手が困るような環境をあえて作り出し、それを取り除くことが相手にとって利益になるように見せる方法もある」と記したことを提示した。
要するに、相手に取材拒否など無茶苦茶な要求を突きつけて、相手が困ったところに「こっちの条件を飲むなら勘弁してやる」と伝えるやり方のことである。具体例21個を裁判所に提示した。
大石議員同様被告である日刊ゲンダイは、橋下氏がマスコミをコントロールしていたのは社会的評価が下がる話ではないと主張。大石代議士同様に全面的に争う姿勢を見せた。
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